実はこの連載、何年も続いていて(編:2004年7月からです)、2年に1回、いや、1.5年に1回くらい「ランチを撮る」とか「料理を撮る」ってテーマを取り上げているのだけれども、当時と今では状況がずいぶん変わったのである。
はじめて取り上げた頃はデジカメでランチやディナーを撮ってブログにアップする人たちが徐々に増えてきて少し話題になりはじめたという状況だったのに、今やスマホで撮ってTwitterやFacebookへ投稿する人が急増し、食べる前に料理を撮る人が格段に増えた。
ここまで増えるとは思わなかったというのが実感。おいしいものを食べたから記録したい、から食べるものを記録・公開したいまで広がったのだ。食べ物写真を投稿する人も、それを見る人も大勢いるのである。
そこでイマドキのライトなランチ撮影の話なぞ。
お店のメニュー用にきれいに凝った写真を撮りたいっていうケースはともかく、お客さんとしてごはんを食べに行って美味しそうだから記念に撮っておきたい、となるとその場の状況に合わせていかに手早くさっと撮るかが大事になる。手早く美味しそうな写真を。
という状況でも、運と機材がよければ、きれいなランチ写真がさっと撮れる。
こんな風に。
まずどんな条件がいいか。
上の写真でわかるように、ランチを撮るならランチらしく、窓際の席で、半逆光気味がいい。横あるいは後ろから光が当たる席がお勧め。
とはいえランチを食べるとき、「窓際の席が空いててきれいに撮れそうで、見た目がきれいな料理を出してくれる店」って基準で選ぶ人はまずいないわな。大事なのは写真じゃなくて、料理だもの。食べることだもの。
だから普通にランチを食べようとお店にふらっとはいって、さくっと写真を撮ってさあ食べよう、的なライトなランチ写真のノリでいきます。
お店に入ったら、さっと見渡して、やはり窓際の席が空いてたらその光を上手に使えるように窓の方を向いて座る。それが一番話が早い。
そんな都合のいい席が空いてないときは、できるだけ明るいテーブルがいい。暗い室内だと難易度があがるから。
特に影。背中から照明が当たるような席だと、自分の影が料理に落ちちゃうしね。1枚目の写真、実はパスタの上に影が半分落ちてた。だから普通に撮るとこうなっちゃう。
ここでお皿の位置をちょっと動かしてもいいけど、せっかくだからこの影を生かしてやろうと思い、明暗がはっきりしながら主役が明るい方にくるような角度で、縦位置にして撮ったのだ。
その場の条件をうまく使うのが大事。
で、席についたら料理が来る前に撮る準備をしておく。
料理がきてからああでもないこうでもないとやってたら、ラーメンならバリカタを頼んだのに柔らかめになっちゃうし、ソバだったら乾いてくっついて食べにくくなるし、熱々のうちに食べたいパスタもさめちゃうしでロクなことがない。
ランチを撮るなら10秒くらいで済ませるべし。さっと撮ったらさっとカメラをしまって、普通に食べる。でないと、料理に失礼ってもんだ。
撮る準備って何か。
まずテーブルの上を片付ける。手を拭いたあとの丸まったフキンとかテーブルに置いた小物とかメニューとかケータイとかそういう余計なものが写らないように。で、次に試しに1枚撮ってみる。白いものがいい。色を見るためだ。
室内の光って非常に複雑で、時にはオートホワイトバランスがうまく働かないことがある。たとえば白熱灯がメインの場所だとカメラ側が赤さを残そうとしすぎて料理写真としてはなんだかなということになったり。
さすがにこれじゃあつらい。赤みが強すぎて、クリームが全然おいしそうじゃない。こんな写真を見せられて「ホットケーキおいしかったよ」といわれてもちょっと萎えるというもの。
撮ってからあたふたとカメラのセッティングを見直してたらホットケーキは冷め、バターは溶けてなくなっちゃう。
よって、あらかじめチェックして、オートでうまくいかないときはプリセットで適当なところ(蛍光灯モードや白熱灯モードなど)に合わせて様子をみるといいのだ。
きれいに撮りたいなら自分のカメラのクセを知って、その場に応じたセッティングをしておくってことですね。
もうひとつ重要なのが露出、つまり明るさ。
特に白いお皿に明るい色の料理がのっかってくると、まあだいたいオートでは暗めに写る。これも微妙な条件の違いで変わってくるけど、基本的に料理を明るくおいしそうに撮るなら、プラスの補正をする心の準備をしておくといい。白いお皿で明るめの色の料理がきたらさっとプラスでって感じだ。
その過程を3枚の写真でどうぞ。ランチの写真といいながら、ホットケーキとかケーキとか甘いものが並んだけどご容赦を。
こんな感じである。
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