GW直前の4月25日に届いた「PowerShot N」。キヤノンオンラインショップのみで販売し、一般のカメラ量販店では展示すらされないという、ある意味幻のデジカメだ。
しかも日本での発表が2月、予約開始が3月中旬、発売が4月25日と、1カ月ずつ間があくというこの時代に考えられないペースながら、初期予約分は初日に完売(わたしは運良く間に合った)。どのくらいの数を用意したのか分からないけれど、報道を見たり、CP+などの展示会場で見ただけで「これは面白そう」と手を出した人がけっこういたのだなというのは想像できる。
届いた製品は2つの箱に分かれていた。
ひとつは本体が入っている箱。もうひとつは本体とセットになっているジャケット&ネックストラップがはいっている箱。ジャケットは限定色を入れて5種類あるわけで、それが別の箱になってるのだ。ストラップとジャケットはこんな感じ。わたしが購入したのは「マルチボーダー」セット。ちょっとポール・スミスっぽい。
ストラップは付属の両吊りネックストラップを付けて首からさげてもいいし、適当なハンドストラップを左右どちらかにつけてもいい。ジャケットもつけてもつけなくてもいい。ジャケットをつけると確かに見た目のアクセントにはなるし、カメラの保護もしてくれるが、やや分厚くなり、三脚穴がふさがり、レンズ下側へのアクセスがしづらくなるのだ。
PowerShot Nの面白さのひとつはシャッターにある。上面にシャッターボタンもズームレバーもないのだ。
それらはレンズ周りのリングに用意されているのだ。シャッターリングとズームリングである。シャッターリングはリング部分をレンズ中心に向かって押す仕組みで、上と下にスイッチがはいっている。実用的には真横以外ならだいたいOK。あまり気にしなくていい。
で、ジャケットをつけると下側の、とくにズームリングを回しづらくなるわけである。わたしがジャケットを早々にはずしちゃったのはそれが理由だ。
話をちょっと戻す。
PowerShot NのメディアはmicroSDカード。充電はUSB充電のみ。
別売りの充電器はあるが、本体に付属するのはUSB仕様のACアダプタだ。
本体側のコネクタはminiUSB。デジタルガジェットの世界ではmicroUSBが主流になってるのに今更miniUSBを採用したのはちょっと不可解だが、独自コネクタを使われるよりはずっとましだ。いろんな長さのケーブルを容易に自分で用意できるし。
USB充電が可能なので、本体付属のACアダプタを使わずとも手元にあるスマートフォン用のACアダプタをそのまま使えるし、出先でバッテリがなくなったら、モバイルバッテリーを流用できる。これは素晴らしい。旅行時もいちいち専用充電器をもっていかなくてすむし。
ただし、ひとつ注意点がある。
USBを電力供給用に使おうという動きに対応し、2009年、BC1.1(Battery Charging Specification, Rev 1.1)としてUSBのバッテリーチャージング規格というのが制定されている。そのとき電源供給専用機器(モバイルバッテリーやACアダプタ)についても規格化されてて、PowerShot Nはそれに準拠してる機器からしか充電できないようなのだ。
例えば古いモバイルバッテリやUSB電源には未対応のものが多いし、AppleのiPhone/iPad用USB電源はこの規格とは別の方法で電源をコントロールしているため、そのままではPowerShot Nの充電には使えないため注意が必要だ(これらの未対応機器をBC 1.1に対応させるためのアダプタが市販されていて、それを使えば可能)。
現在市販されているAndroid対応のもの(Android急速充電対応と書いてあるとか)なら大丈夫と思うが、その辺はわたしもメーカーも保証できないので自らのリスクでどうぞ。パソコンからの充電ももちろん可能だ。
記録メディアを入れ、充電が完了したら撮影である。
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