・あこがれを手にする前のフルサイズ一眼入門(前編)――買う理由と買わない理由
いま市場で人気を集める2台のフルサイズ一眼を使って、ポートレート撮影を試してみた。1台目はニコン「D600」だ。撮像素子に有効2426万画素のフルサイズCMOSセンサーを、画像処理エンジンに「EXPEED 3」を搭載した、フルサイズ入門用に最適なモデルである。
D600を試用してまず感心したのは、撮影時のシャッターフィーリングのよさだ。一般的に大型のセンサーを搭載すれば、シャッターユニットやミラーボックスも大型化し、撮る瞬間の音や衝撃は大きくなりがち。だが、D600ではそんなことは感じない。レリーズした瞬間の作動音は小さな低音で、ミラーの上下による振動も控えめだ。視野率100%で倍率0.7倍の大きなファインダーによる視認性の高さや、39点AFセンサーによる快適なAF性能と相まって、撮影の操作感はとても心地よい。
今回D600で使ったレンズは、レンズキットに付属する標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」だ。手ブレ補正機構を備えたフルサイズ用ズームとしては比較的コンパクトで、取り回しに優れたレンズである。開放値は特に明るくはないが、フルサイズらしいボケの表現もまずまず楽しめる。下の写真では、前ボケと後ボケを意識しながら構図を作ってみた。
次の写真は、街灯の光を利用して感度ISO6400で撮影したもの。本来ならもっと明るいレンズを使いたいところだが、あえてキットレンズ+高感度の組み合わせを選択した。影の部分はそれなりにノイジーになっているが、画像サイズが6016×4016ピクセルと非常に大きいので、プリント時はノイズの粒が小さくなってさほど気にならない。
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