絵づくり面では、ハイライト部のダイナミックレンジを400%まで広げる機能や、暗部を持ち上げる暗部補正の両方をコントロールできたり、マイカラー機能で色合いを選べる、ISO感度の上がり方を指定できる(速めや遅め)など細かい機能は相変わらず充実しているが、前モデルのG15から大きく変わったのは4点。
1番目はWi-Fiの搭載。2番目はHDR機能の強化。
Wi-Fiについては既におなじみの感もあるので、HDRから説明しよう。露出を変えた3枚を連写してダイナミックレンジの広い写真を合成するHDR機能は以前から搭載されていたが、手持ちでも気軽に使えるレベルになった上に、普通のHDRに加えて、絵画調、イラスト調などアーティスティックな出力も選べるようになった。
クリエイティブフィルターモードのHDRに絵画超標準、グラフィック調、油彩調、ビンテージ調の4つが搭載された。HDRのナチュラルはけっこう無難な設定で極端にダイナミックレンジが広くなる感じではない。絞り優先モードで撮ったものと一緒に6枚どうぞ。
3番目は「背景ぼかし」機能。ピントが合ってる写真をわざとボカした写真の2枚を撮影して合成することで背景を大きくぼかした一眼レフっぽい写真を作る機能。まあ被写体次第でうまくいったりいかなかったりするのはしょうがないところということで、使いどころが難しいかも。
4番目はコンパクトデジカメではPowershotが初なんじゃないかという「星空」モード。シーンモードの中にはいってる。もちろん三脚の用意は欠かせない。
自動的に星空撮影用のセッティングになり、星をきれいに撮る処理をしてくれるので、誰でも簡単に夜空を撮れるというものだ。ちょっとマニアックだけど、誰でも簡単に星を撮れるのは楽しい。
ただし、都会ではそこまできれいには撮れません……といいつつ、東京都世田谷区の住宅街のど真ん中からでもオリオン座くらいは撮れます。
さらに、長時間撮影して星の軌跡を撮る「星空軌跡」モード(複数枚撮影して合成する)や、「星空インターバル動画」機能もある。「星空軌跡」モードで夜景と一緒に撮ってみたのがこちら。
左下に不自然な光跡が移っているけれども、UFOではないと思います。ちゃんと確認されている飛行物体でしょう。
星空軌跡になると60分以上カメラを放置しておくことになるので、バッテリ残量に注意。キャンプに行ったときなんかにしかけとくといい。
PowerShot G16は基本的にはコンサバなハイエンドコンデジではあるけれども、使い勝手や写りは確かなので、多少大きめでもしっかり撮れるコンデジが欲しい、カメラが好きでちょっと凝った撮影もしたいという人にお勧めできる。
ただ、そろそろこのクラスはEVFに切り替えて欲しいな、とは思うけれども。
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