2013年9月、海外の展示会(ドイツのIFA)で「RICOH THETA」(リコー・シータ)というすごくユニークなカメラが発表された。それから遅れること1カ月半、日本でもとうとう発売(11月8日発売)である。
RICOH THETA(以下、TEATA)は、円形魚眼レンズ搭載カメラを裏表に貼り付けた超小型カメラユニット。この2つのカメラが1回のシャッターで同時に撮影する。2つとも魚眼レンズなのでひとつあたり180度分(たぶん、180度強)、つまり半球分を撮影する。2つ合わせると、360度全天球を撮影できる。それをカメラ内部で合成して1枚の画像にし、専用アプリで鑑賞すると、カメラの上下前後左右すべてを見られるのである。
言葉で説明するとめんどくさいので、THETAで撮影して動かしてみた動画をどうぞ。パソコン上でTHETAで撮ったパノラマを動かす様子をキャプチャしたものだ。
撮った画像をこんな風に楽しめるのである。ミニ三脚につけたTHETAを伸ばした手に持ってもらい撮影したもの。
普通のカメラって瞬間を切り取るものなのだけど、THETAはその瞬間を空間丸ごと記録しちゃうのである。こういう全天球パノラマ自体は新しいものじゃない。知る限り10年以上前からあるし、わたしも2000年当時はコンデジに魚眼レンズを付けて撮っていた。
今ではデジタル一眼に魚眼レンズをつけ、4枚ほど撮影して作成したハイクオリティな全天球パノラマ(フルスクリーンパノラマなんて呼ばれてた)が主流だ。でもそれは機材の準備や撮影のノウハウ、加工するソフトが必要で、けっこうハードルが高い。
例えば360citiesというサイトを見ると、世界中のカメラマンが撮影したハイクオリティなパノラマを楽しめる。
でも、THETAなら(カメラが小さいのでそこまでのクオリティは出せないけど)、シャッターを1回押すだけのワンショットで誰でも撮れちゃうのだ。これは画期的。しかもカメラ自身が非常にシンプルで小さいのでいつでも持ち歩けるし、三脚も不要だ。カジュアルパノラマの時代、到来である。
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