機能面でもデザイン面と同じく、M1とほぼ同等であり、「Velvia」や「ASTIA」などの同社フィルム名を選ぶことでそのフィルムに近い発色傾向で撮影できる「フィルムシミュレーションモード」や、トイカメラやミニチュアといった8種類のデジタルフィルター、ワンシャッターで異なるフィルターや露出の設定で撮影できるブラケット撮影機能、スマートフォンやタブレットへ撮影画像を送信するWi-Fi機能、カメラ内RAW現像機能などを備える。
A1はエントリークラスのミラーレスとして非常に良くまとまっているという印象で、これは実のところM1の使用時に受けた印象と変わらない。X-Pro1やX-E2が備えるアナログ優先とも呼べるユーザインタフェースがないことや、金属的な本体の質感には乏しく、また、ファインダーも備えないことは残念といえば残念であるが、他社製品の利用者にも分かりやすい(一般的な)操作形態やチルト液晶、それに富士フイルムならではと言える色の出方は十分な魅力に思える。
外観上および仕様の相違点の少なさからM1との比較は避けられないところなのだが、実写の限り、M1が圧倒的に優位という局面に出会うことは無く、廉価版と思わずにぜひとも手にとって欲しいモデルと言える。付属の標準ズームレンズ「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」はキットレンズとしては高い解像力を持つが、単焦点レンズに比べると開放F値の暗さは否めない。金銭的に余裕があるならば、「XF35mm F1.4」など単焦点レンズを組み合わせることをお勧めしたい。
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