作者が炭鉱の写真を撮りに筑豊に行ったのは1965年のこと。もう50年も前のことになる。
この筑豊行きは、結果的に作者が写真の仕事を始めるきっかけとなり、「エネルギー」というテーマがライフワークになった。
閉山続きで貧しい暮らしの炭鉱街で作者が出会った人たち、そこにも当たり前の暮らしがあった。それがおかしくて、やさしくて、作者は大好きだった。そう、悲惨さだけの日常ではなかったのだ。
しかし、いま九州でも北海道でも作者がかつて通ったあの炭鉱は何も残っていない。
この50年、日本は高度経済成長期をはさんでずっと“豊かな国”を目指した時代だった。特にその成長を支えるエネルギー問題は石炭から石油、そして原子力へと目まぐるしく変わっていった。国家という名の下に鼻先に豊かさという人参をぶら下げられて、経済発展へ突き進んできたのだ。
誰かがこころと肉体を犠牲にして、まぼろしの豊かさを負わされてきたのだ。
名称 | 本橋成一写真展「炭鉱<ヤマ>」 |
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開催期間 | 2015年2月11日(水)〜2月24日(火) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時まで) |
定休日 | 会期中無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 銀座ニコンサロン |
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