軽量コンパクトで美しい写真を撮ることができる富士フイルムの「FUJIFILM X-T10」。上位機種X-T1のほとんどの機能を受け継ぎ、毎日持って歩ける気軽さにも関わらず、写りは同等という素晴らしいミラーレス一眼だ。上級者から初心者まで写真にドップリと浸かれる魅力的なカメラになっている。
さて、前回は広角単焦点レンズ群を取り上げたが、第2回目となる今回は、標準レンズ群を撮り比べてみた。画角の比較は本項の最後をご覧頂くとして、早速「XF23mmF1.4 R」「XF27mmF2.8」「XF35mmF1.4 R」の3本をインプレッションしたい。なお最新のレンズ「XF35mmF2 R WR」については交換レンズ百景で取り上げているのでそちらも参照いただきたい。
XF23mmF1.4 R、XF27mmF2.8、XF35mmF1.4 RはX-T10に装着すると、それぞれ34.5mm、40.5mm、52.5mmという焦点距離となる。イメージ的には準広角〜標準レンズと思ってもらえばいいだろう。この辺りのレンジは、広角レンズと違って遠近感が誇張されず、人の見た目に近い自然な写りを楽しむことができる。街中のスナップやポートレート、風景まで、撮り手の意志とアイデアで自在に被写体を選べる画角だ。
XF23mmF1.4 R、XF35mmF1.4 Rの2本は開放F値も明るので暗所での撮影や豊かなボケを堪能できる。パンケーキレンズのようなXF27mmF2.8は常用レンズとして使ってもいいだろう。いずれもX-T10に装着したときのバランスはよい。新しいXF35mmF2 R WRはさらにマッチングがいいので、東京ミッドタウンにあるショールームなどで実際に手にとってチェックしてみてほしい。当日返却なら無料で借りられるサービスもある。
公園にぽつんと設置されている井戸のポンプにグッと寄って撮影。金属のザラザラとした質感がしっかりと写しとられている。美しいボケがこのレンズの特長だ。
夕刻の多摩川河川敷。風になびくススキの穂を絞り開放で捉えた。黄金色に輝く穂先が高速電子シャッターでビシッと撮影できた。この時間帯での開放値付近での撮影は至福である。キレイなボケ味と発色が楽しめるからだ。
引いてワイド感を、寄ってテレ感を出せるのがこのレンズの魅力だ。色のりもよく、夕陽を浴びるコンパクトカーをイメージ通りに撮ることができた。
モデルとの自然な距離感をとれるこのレンズはなかなか面白い。故意に太陽をフレーム内に入れて盛大にフレアを発生させて楽しんでみた。それでもモデルの瞳付近の描写がいい。
約40ミリとなる画角は非常に使いやすく、自然な写りが楽しめる。このレンズは軽量コンパクトでX-T10にピッタリとマッチしハンドリングも抜群だ。「モノクロ」のフィルムシミュレーションで大木の根をシューティング。表面のディテールが豊かである。
このレンズはややワイドな標準レンズとなるが、ポートレートから風景、テーブルフォトなど被写体を選ばない。富士フイルムらしい発色と描写が楽しめるパンケーキレンズとなっている。軽量コンパクトなX-T10に常時装着をオススメしたい。
(モデル:沖本光希 オスカープロモーション)
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