軽量コンパクトで美しい写真を撮ることができる富士フイルム「FUJIFILM X-T10」。上位機種X-T1のほとんどの機能を受け継ぎ、毎日持って歩ける気軽さにもかかわらず、写りは同等という素晴らしいミラーレス一眼だ。上級者から初心者まで写真にドップリとつかれる魅力的なカメラになっている。
ミラーレス一眼が初めてで、「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が同梱された「デジタルカメラレンズキット」を購入した人もいることだろう。このレンズも明るくなかなか優秀なものだが、「そろそろ次の交換レンズを!」と思っている人のために、一緒にレンズチョイスを考えてみたい。フジノンレンズは写りの良さに定評があるが、特に評価が高い単焦点レンズに絞って作例とともに紹介しよう。その第1回目は広角レンズ編だ。
今回取り上げる単焦点広角レンズは「XF14mmF2.8 R」「XF16mmF1.4 R WR」「XF18mmF2 R」の3本だ。広角レンズは文字通り広い範囲を写すことが可能で、遠近感を生かした絵作りを楽しむことができる。自分が撮影したい被写体の性格をよく考えて、マッチする焦点距離のレンズを選ぼう。X-T10はAPS-Cフォーマットなので1.5倍した数字が実焦点距離となる。
焦点距離が2ミリずつ異なっているが、広角側の数ミリの差は写りに大きく影響する。自分の撮りたい被写体が風景なのか室内なのか、近づけるのかそうでないかによってレンズ選択が変わってくるはずだ。おのおの開放F値も異なるので、当然ながらボケ味も違ってくる。広角ながらボケ味を重視するかどうかも重要だ。
低感度で高速シャッターを切りたい場合も明るいレンズは重宝する。また明るいレンズは構造上大きく重たくなる傾向にあるので注意したい。軽量コンパクトなX-T10とのバランスにも気を配りたいものだ。
遠近感をより強調できるのがこのレンズの魅力だ。そそり立つ高層ビルと青い空のコントラストも美しい。直線が気持ちいいくらいにビシッと決まっている。
渓流沿いにある木製の道しるべを撮影。光の当たった部分からそうでないところまで、スムーズで立体感のある描写だ。引きがない場所での撮影でも活躍するレンズだ。
絞り開放で被写体に寄って撮れば背景をぼかすことも可能だ。発色も自然で好感が持てる。大きさ的にもX-T10とバランスがいい。
XF16mmF1.4 R WRはシャープかつコントラストの高い絵を見せてくれる素晴らしいレンズだ。画面中央部はもちろん、周辺まで納得のいく写りだ。
最短撮影距離15センチというのもうれしい。また防塵防滴・耐低温構造のためシビアな環境の使用でも撮影が可能だ(X-T10は違うが)。葉のしっとりとした描写と美しいボケ味がとても魅力である。
X-T10にはやや大きいレンズとなるが、優れた描写と、フォーカスリングを手前に引いてのマニュアルフォーカス移行が使いやすい。F1.4という明るさを求めるならばこのレンズしかないであろう。
ハンドリング抜群のX-T10に、初めての単焦点広角レンズとしてピッタリなのがこのレンズだ。何と言っても小さくて軽い。約116グラムなので常用レンズとしてもオススメである。写りもキレがあるものだ。
35ミリ判換算約27ミリ相当なので、多くの人が使い慣れている画角だろう。スナップから旅行まで幅広いジャンルで活躍できるレンズだ。大きな桶から流れ出るお湯の輝きがいい感じである。
自然な遠近感と色のりもこのレンズの特長だ。開放F値も明るいので、X-T10に初めて装着する単焦点広角レンズとしていいかもしれない。
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