機能はシンプルなまま、画質はトップクラスに――「iPhone 4S」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
ついに発売された「iPhone 4S」。見た目はiPhone 4と変わらないが、デュアルCPUやより高画素な800万画素CMOSカメラを搭載するなど、ハードウェア性能が強化されている。加えてiOS5により、カメラの使い勝手も向上した。その実力をさっそくチェックした。
強化された写真閲覧機能
撮った写真を閲覧するにはシャッターキーの横にある正方形のサムネイルをタップするのだが、もう1つ面白い技がついた。指を右にスワイプするのである。すると右の写真のようになる。
こうして撮影と再生を切り替えられるのだ。これは楽しい。撮影中の画面が右にすーっと隠れて、さっき撮った写真が現れるのだから。
ちゃんと再生するときには「写真」アプリを使う。これは前と同じだが、これがけっこういい。まず、アルバムを作れる。今までは撮った写真がカメラロールに貯まる一方だったけど、これなら気に入った写真だけをピックアップしてアルバムを作れるのだ。なお、アルバムには写真へのリンクが登録されるだけなので、カメラロールから元写真を消すと、こっちも消えます。あしからず。
トリミングや写真の自動補正機能も付いた。まあこの辺はアプリでもできるので、大したことじゃない。注目したいのはTwitter対応。iOS5ではTwitterアカウントを登録することで、写真アプリから直接ツイートできるのだ。つぶやくだけならTwitterクライアントをいちいち起動しなくても済むわけ。
最後に紹介したいのは「フォトストリーム」。これは圧巻。「iCloud」という新しく始まったクラウドサービスのアカウントを取ってそれをオンにし、「フォトストリーム」をオンにすると、撮った写真が片っ端から(Wi-Fi環境にいるときに限るが)、クラウドにアップロードされるのである。でもって、同じアカウントを登録してあるフォトストリーム対応機器(iPadとかPCとか)に自動的に写真がダウンロードされるのだ。これは便利。バックアップにもなるし、写真を吸い上げるのにPCとケーブルでつなぐ必要もない。
フォトストリームは容量無制限で無料だが、保存されるのは30日だけなので、その間にローカルに保存するとかするように。ただし、iCloudを使うにはMacならOS X Lionが、WindowsならVista以上が必要。古いマシンの人はごめんなさいってことで。
これなら、iPhoneで撮った写真をiPad上で編集してアップロードなんてことも簡単にできる。まだ洗練されてない機能もあるけれども、OSがアップデートされるたびにいろいろと便利になっていくのはよいことである。
4Sのカメラはいい!
で、今回は残念ながら晴天に恵まれなかったのだけれども、全体的に見て、4Sのカメラはいいっ。Android機でいえば、Xperia系やGALAXY SIIに匹敵するくらい。つまり、トップクラスの画質になったということだ。カメラ機能自体はシンプルなままだが、それがいい。シーンモードなんていらない。ただ撮りたいときにさっと起動して、オートできれいな写真を撮れる、というのが理想だ。
iOSにはカメラアプリから、お遊び系、フォトレタッチ系、フィルタ系、オンラインアルバム系、写真SNS系までよいアプリが無数にあるので、それでいくらでも凝った写真を作れるしね。
デジカメ代わりにスマートフォンを使いたい、あるいは使ってるという人は4Sに乗り換える価値あり。画質やレスポンスのみならず、CPUが高速化された分、写真系アプリのパフォーマンスもよくなってる。
見た目はiPhone 4と変わらないが、よいアップデートである。
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