本大好き司書メイドの好感度を上げ、年に一度のデート権を得るべく繰り広げられるメイドたちのラブアタック。今日はレイラからの紹介です。
晩秋が迫るこの街に、メイドが営む私設図書館がありました。
そこには書架を守る司書メイドがいます。ほんわりおっとりした司書メイド ミソノに、淡い思いを抱くメイドもいるようです。
彼女の好感度を上げようと、今日もお気に入りの1冊を持って、書架にメイドがやってきます。
今日は私がTRPGにハマるきっかけになった、思い出の1冊を紹介しようと思うの。
TRPG……。テーブルを囲んで話しながら遊ぶゲーム「テーブルトークRPG」のことですね。
そうそう、「ドラクエ」とか「FF」とかのコンピュータゲームの前身的な存在になったゲームね。
ボードゲームもそうですけど、レイラさんは電源を必要としないクラシカルなゲームがお好きですよね。
そういえばそうね。どちらも他のプレイヤーとテーブルを囲んで一緒に楽しめるところが好きなのかも。
わたしもTRPGをやったことがありますが、ひとくちにTRPGと言っても色々なシステムというかルールがありますよね。有名なところだと「ダンジョンズ&ドラゴンズ」とか、小説化やアニメ化をされて、ファンタジー好きの青少年に多大な影響を及ぼした「ロードス島戦記」も元々はTRPGだったんですよね。
そうそう。その中でも私が大好きなのが、今回紹介する『ガープス・ルナル』なの。
これは、小説? と言えばいいのかしら……ちょっと独特な書かれ方をしていますね。なんだか演劇のト書き台本みたい。
これはリプレイと呼ばれるもので、そのゲームを遊んでいる様子を簡単な状況説明を加えながら台詞を羅列するように書かれている、TRPGならではの文章スタイルなの。
会話形式で進んで行くから凄く読みやすい! お話がサクサク進む感じもあって、世界観に入りやすいです!
実は、つい最近このリプレイを小説化したものが復刻版で再登場して、懐かしくてこのリプレイを本棚から出して久しぶりに読んでみたのよ。
小説版とリプレイがあるんですね。文章スタイルが変わると、雰囲気が違ったりするのかしら。
リプレイは皆で遊んでいる様子を再現したものだから凄く楽しそうで自分もこのゲームで遊んでみたい! って思わせる魅力があるわ。
小説の方は遊んだ時の内容を物語として再現しているからシリアスな展開や登場人物達の微妙な心の動きを丁寧に描いていて、物語自体を楽しませてくれるの。
同じ文章表現でも好みに合わせて手に取れるのは嬉しいですねー。ところで、今回お薦めしてくれた本ですが、タイトルに第2部と書かれていますね。
そう、でもこれが私が初めて読んだTRPGの本なの。
いきなり第2部から!? 第1部を読まなかったってことですか?
ええ。初めは友人に貸してもらって読んだのだけど、第1部は他の子に貸していたとかで第2部を手渡されたのよねぇ。
途中からでも大丈夫でしたか?
第2部はちょうど第1部に登場したキャラクターの1人が記憶を失って仲間とはぐれた所から始まってるので、意外と大丈夫だったわ。
第2部はそのキャラが記憶を取り戻す旅の物語なのですね。
だからそのキャラクターの過去を知らずに読んでいたからこそ、ミステリー要素が多く感じられて当時はそれが凄く面白かったのよね。
あらまあ! それは楽しそうな体験ですねぇ。
記憶喪失の子の過去やその世界をもっと知りたくて、第1部や関連書籍をちょっとずつ手に入れていって、気が付いたらどっぷりTRPGにハマっていたのよねぇ。懐かしいわ。
ルナルの世界はRPG界では王道の中世ファンタジーなんですね。
人間の他にエルフやドワーフ、妖精のような種族がいて、亜人種の種類の豊富さには目をみはるものがあるわ。そして物語に深く関わってくる、この世界の神話が特に魅力的なのよね。
ギリシャ神話みたいにたくさん神様がいらっしゃるのだとか。
この神様たちの設定がね、小一時間語れるほど萌え要素が多いのよ! ゲームのルールブックの方に書かれた詳しい解説は、本当に何度読んでも飽きないわ。
今回お薦めした本は既に絶版になってしまっているけれど、復刻版の小説(巻末に神様解説も載ってます)も面白いので機会があればぜひ読んでみて下さいね。
本への愛情、オススメの仕方が上手だとミソノの好感度アップ! それぞれミソノの心を占めている割合は……?
エリス:59% レイラ:90% サヤ:84%
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.