第2回 クライアント環境に革新をもたらすIBM Workplace構想集中連載 「グループウェア」は再び革新の主役に?(2/2 ページ)

» 2004年07月12日 16時33分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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Notes/DominoとLotus Workplaceの位置づけ

 IBMの製品(IBM Workplace製品群)に話を戻そう。IBM Workplace製品群は、WebSphere PortalおよびWebSphere Everyplaceの「WebSphere製品群」とLotus Notes/DominoおよびLotus Workplaceの「Lotus製品群」から構成される。

 同じような言葉が並ぶため、かなり分かりにくいのだが、肝心なところは、Lotus製品群には、コラボレーションのための製品として既に独自テクノロジーで完成の域にあるLotus Notes/Dominoがあり、さらにJ2EEのようなオープンテクノロジーベースで、比較的シンプルな機能のLotus Workplaceシリーズが順次追加されるということだ。

 前者が高度にカスタマイズされたコラボレーティブなアプリケーションを構築できる高い価値をそのままIBM Workplace環境に持ち込める製品であるのに対して、後者はNotesの標準テンプレートとして提供されているアプリケーション(例えば、メールやグループスケジューラー)をJavaで書き直したものといえる。オープンなJ2EEスタンダード環境に移行するために、ユーザー自身が書き直しを強いられるのではなく、標準的なものをIBMが順次提供していこうという考え方だ。

 こうしたポジショニングを明確に打ち出しているにもかかわらず、マイクロソフトがNotes/Dominoユーザーに対して間違った情報を伝え、将来の不安をあおっていると日本IBMは苛立つ。

 「大半のNotes/Dominoユーザーは“またかよ”と冷静に受け止めているが、マイクロソフトは彼らのWebサイトで“Notes/Dominoが最終的になくなる”といった間違った情報を伝えている」と話すのは日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業開発部の加藤昭彦主任。

 米国では既にNotes/Domino 7.0のベータテストが開始されており、2005年に登場する。さらにコードをJavaで書き換えるといった必要もなく、そのままIBM Workplace環境に統合できる本命、8.0も控えている。Notes/Dominoは、今後も既存ユーザーを中心により高い価値を提供していくために開発が継続されていくと加藤氏は念を押す。

 「むしろ、マイクロソフトのユーザーこそ、セキュリティ面でExchangeを不安視しているのではないか」(加藤氏)

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