“Enterprise”Dell Days開催、デルを成功へと導いたITシステム変革とは?(2/2 ページ)

» 2004年09月03日 17時48分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 ビジョン=1 構想の着実な実現に、「数値目標」が果たした役割は大きかったようだ。マイケル・デル会長の右腕、ケビン・ロリンズ氏(現在社長兼CEO)は2001年に社長兼COOへ就任すると、ITに関する月例の経営会議をスタートさせた。ユーザー部門のニーズに対して全社的な見地から優先順位づけを行うのが狙いだった。ここで認められなければ、プロジェクトが実行に移されることなく、こうした枠組みは各地域も同じで、日本法人でも浜田宏社長を中心に同様の経営会議が行われているという。

 「ユーザー部門から言われたことをやるのではアウトソーサーと変わらない。社内にシステム部門を抱える意義は何なのか、ロリンズや(ランディ・)モット(本社CIO)と徹底的に議論した」(山田氏)

IT支出を売上高の1%以下に

 2001年から掲げられた5カ年の数値目標は以下のようなものだ。

  • 予定どおり、または予定より早く、すべてのプロジェクトを完遂する
  • アプリケーションのITのリソースの75%を新規開発に充てる
  • IT関連の経費を売上高の1%以下に抑える
  • アプリケーション開発のサイクルを9カ月以内とする
  • すべての戦略的プロジェクトは初めに開発された国で安定稼動後、6カ月以内にすべての国に展開する
  • 75%以上のITリーダーを社内で育成する

 2002会計年度に売上高の1.83%だったIT関連支出は、2005会計年度には1.41%にまで削減され、1%以下という数値目標も射程距離に入ったと山田氏は話す。経営会議で討議するためには、IT投資の効果を見積もる必要があるが、プロジェクトが完了した91日後には、その監査も実施され、投資効果予測の精度も絶えず高めているという徹底ぶりだ。

 ここ数カ月で60社を超える顧客企業を訪問したという山田氏は、日本企業とかつてのDellをダブらせることが多いと明かす。

 「Dellの製品を最も活用しているのはDell。業界標準の技術や製品で急成長を支えるITシステムが構築できることを理解してほしい」と山田氏は話す。

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