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» 2006年03月24日 12時00分 公開

ITトレンド 〜データマネジメント編〜:ストレージ統合と運用の標準化で変化に強い柔軟な基盤環境を提案

SPECIAL INTERVIEWとして、『ビジネスインパクト Vol.9』に掲載の日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクニカルセールスサポート統括本部 シェアードサービス本部 インフラストラクチャソリューション部 ソリューションアーキテクト 笠原 俊和氏への特別インタビュー記事をお届けする。

[ITmedia]
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企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、新たな課題に柔軟に対応できるストレージ環境の構築が求められている。それを実現するのが個別・複雑化したストレージ環境を統合・集約化する「ストレージ・コンソリデーション」である。ヒューレット・パッカード(以下、HP)ではインフラの統合だけでなく、同時に運用環境の統合・標準化を提唱し、変化への適応力を身につけた企業「アダプティブ・エンタープライズ」の実現を支援している。日本ヒューレット・パッカードの笠原 俊和氏に、ストレージ・コンソリデーションが求められる背景やメリット、今後の展望を聞いた。

第4の指標“アジリティ”の重要性が急浮上

 企業の扱うデータ量が加速度的に増え続けるなか、膨大な情報資産を扱うストレージの重要性は以前にも増して高まっている。これまで企業のストレージ環境はコストの最適化、品質の向上、リスク緩和という3つの指標に重点が置かれてきた。しかし、その結果、個別最適による構築期間の長期化、設計・構築品質のばらつき、変更・メンテナンスの複雑化、バラバラな運用による作業ミスの増加などがビジネスの阻害要因として大きくクローズアップされるようになってきた。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクニカルセールスサポート統括本部 シェアードサービス本部 インフラストラクチャソリューション部 ソリューションアーキテクト 笠原 俊和氏

 さらに昨年施行された個人情報保護法、早ければ2008年3月期にも導入が見込まれている日本版SOX法などコンプライアンス(法令遵守)や内部統制強化のニーズも高まっている。「つまり、激変する企業環境に的確かつ迅速に対応することが求められており、これまでの3つの指標に加え、“アジリティ(俊敏性)”という第4の指標が重要になっているのです」と日本ヒューレット・パッカードの笠原 俊和氏は説明する。

 そこで注目されているのが、個別・複雑化したストレージ環境を統合・集約化する「ストレージ・コンソリデーション」である。HPでは変化への適応力を身につけた企業、すなわち「アダプティブ・エンタープライズ」の実現を支援しており、ストレージ・コンソリデーションはそのための重要な基盤環境となるものだ。

 実現に向けた方法論としては「現状の課題を改善しつつ、次世代のストレージ環境の基礎を築くという中長期的な視野で進めていくべきです」(笠原氏)。それにはデータの価値やシステムの重要度などサービスレベルに応じたストレージの最適化を考える必要がある。

インフラの統合とともに運用の統合と標準化を実現

 しかし、ストレージ環境を統合するだけでは第4の指標であるアジリティを十分に達成することはできない。笠原氏は「ストレージというインフラの統合とともに、運用環境の改善も同時に考えるべき」と提言する。そのため、HPでは運用の標準化とITIL(ITの運用・管理業務に関する体系的なガイドライン)ベースの運用の重要性を提唱している。笠原氏は「運用の標準化は複雑性を排除した運用の効率化、さらに品質と信頼性の向上に貢献します。またITILの考え方を取り入れることで、透明性の高い運用・管理の仕組みを構築できます」とその効果を述べる。

ストレージ共通基盤環境構築ロードマップ ストレージのハードウェア統合から階層型ストレージ、さらに運用統合を実現し、次世代ストレージ環境の基礎を構築する

 具体的には、たとえば、サーバーとの接続ルール、設定ルール、ディスク容量の拡張・増設ルールおよびプロセスなどを統合し標準化すること、業務チームなどからの容量依頼に対して均一で明確なサービス基準を設定しておくことなどが考えられる。これらの標準運用プロセスを確立しておくことで、さまざまな要求に対する“サービス”の提供期間を短縮することができる。「これにより、ビジネスニーズの変化に適応できる基盤環境を実現でき、コンプライアンスや内部統制強化などさまざまな課題にも迅速かつ柔軟に対応できるようになります」(笠原氏)。

 しかも、HPでは数多くのストレージ・コンソリデーションの実績があり、統合・標準化に向けたベストプラクティスやフレームワークを提供することが可能。笠原氏は「例外対応を考慮しつつ共通基盤で必要とされる統合および標準化を進めていくことができます」と同社の強みを強調する。

 では、インフラおよび運用環境も含めた統合・標準化を進めることで、具体的にどのようなメリットが得られるのだろうか。笠原氏はバックアップサイトを例にその具体例を説明する。

 「たとえば、メインサイトとバックアップサイトが異なる仕様で構築されていると、システムの追加や変更も別々に行わなければならず、手間も時間もかかります。異なるシステム環境なので、それぞれのバックアップポリシーが必要になり、運用プロセスも複雑になってしまいます。しかし、メインサイトとバックアップサイトが統合・標準化されていれば、同じルールに従ってシステムの追加や変更も容易に行えます。その分、開発期間を短縮でき、コストも削減できます。また運用プロセスも標準化できるので、均一なサービスレベルを提供可能。属人性を排除し、人材の流動化や組織の変化にも柔軟に対応できます」。

HP StorageWorks Gridにより次世代ストレージ環境へと進化

 このようにHPが提供するストレージ・コンソリデーションは物理的なインフラの統合に加え、運用の標準化とITILベースの透明性の高い運用・管理プロセスの構築を一体で考え、変化に強い柔軟な基盤環境を目指すモデルである。その結果、対症療法的な都度対応をすることなく、新たな課題や環境変化にも柔軟に対応できるようになるのだ。また、こうした基盤環境を構築すれば、今後の新たなテクノロジーの発展にも柔軟に対応でき、ストレージ環境をさらに飛躍的に進化させることも可能になる。

今後目指すべきストレージ環境の姿 ハードウェア統合と運用統合を実現し、要求に対して的確な“サービス”を提供する「ストレージのITサービス化」が今後のポイントとなる

 たとえば、HPではグリッド技術を応用したHP StorageWorks Gridを提唱している。これは標準のハードウェアおよびソフトウェアをベースに、ストレージの基本アーキテクチャをブロック構造化することで、より高い管理性、相互運用性、柔軟な拡張性、さらに低コストを可能にする次世代ストレージ環境を支える技術。笠原氏は「これをストレージ・コンソリデーションをベースにした基盤環境に実装することで、さらなる改善および進化を達成し、ビジネスニーズにより適応したストレージ環境を実現できます」と今後の可能性に力をこめる。HPはストレージ・コンソリデーションをはじめ、次世代プラットフォームに向けたさまざまな提案を通じ、今後もアダプティブ・エンタープライズの実現を支援していく方針である。


笠原氏へのインタビュー内容を動画でご覧いただけます。
笠原氏インタビュー(オンラインセミナー形式)
http://bit.sbpnet.jp/online/hp060216/index.html

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