Web2.0型ビジネス研究 ショッピングSNS編Web2.0型金融ビジネスは成り立つか(3/3 ページ)

» 2006年07月10日 08時00分 公開
[アイティセレクト編集部,アイティセレクト]
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「ショッピングSNS」という新境地を開いた「ビルコレ」

http://bilcolle.com/

 「ビルコレ」は、「自分が買ったモノを『友だち』に『オススメ』すること」を日記にしたSNS。「『友だち』の発信する情報であれば信頼度が高い」ことに着目したもので、「オススメ」されるモノがメンバーに対して売れやすいという特徴がある。

 具体的には、例えばAさんがSピザのサイトで宅配ピザを注文し、そのピザがおいしいと思えば、自分の日記にそのピザに関する情報(写真付き)を載せて「ビルコレ」内で「オススメ」する(その際、Sピザのサイトに飛べるリンクが張られる)。それを見たB君が「Aがおいしいと言っているのだから間違いない」と判断して、そこからSピザのサイトに飛んでピザを頼んでしまう――というものである。

 「オススメ」される商品を扱うECサイトはビルコムと提携している会社のもの。その会社は基本的に、ホームページを立ち上げて自社製品を販売しているところだ。ツタヤオンライン、デル、ヒガ・インダストリーズ(ドミノ・ピザ)、ソニープラザ、サントリー、リクルート、セガ、オートバックスなど知名度の高いところだけでも多種多様にわたる。フランスベッドまである。5月にはアップルコンピュータ、ソニースタイル・ジャパン、エイボン・プロダクツ、ユニクロなどとも提携した。商品数は、ざっと200万点にのぼる。

 特徴的なのは、「オススメ」した人だけではなく買った人にも、販売サイトからアフィリエイト報酬が支払われるという仕組み。その割合は1:2で買った人の方が多いという、非常にユニークなものだ。

 SNSとしているが、一応だれでも参加できる。ただ「友だち」の紹介でなければ、最初はIDとパスワードを取得し自己紹介情報を登録できるだけで、「もう一つ内側の輪である実際のSNS」の中には入れない。従って、その段階では「友だち」が存在しないため、「友だち」の日記を見て「オススメ」されているモノを買うのではなく、買いたいモノを「ビルコレ」内で検索にかけ、それを販売しているECサイトの情報画面を導き出してそこから目的のモノを買うことができるだけである。

 「友だち」をつくるには、「友だち申し込み」をする。そのためには一定の条件を満たさなければならない。血液型、居住エリア、趣味といった自己紹介情報や「ビルコレ」内で買ったものなど定められた項目のそれぞれに「相性度」を築くポイント(単位:%)があり、申し込みをしたい相手との間で共通する項目があればその分のポイントだけを加算し、総計31%以上になると申し込むことができるようになっている。また、知らない人の日記に「あしあとコメント」という簡単なメッセージを残し、それに返事が返ってくれば「友だち」になれるという仕組みもある。

 「リアルの世界と同じ。歩いている人全員と友だちになれるかというとそうではない。多くの場合、紹介された、あるいは共通の趣味があるといった『相性度』で友だちになる。そういう人間社会の本来の姿を創造している」(太田氏)SNSなのである。


「ビルコレ」の購入画面
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