こうして話を聞いていくと、ストックウェザーのサイトの主要な利用者はまさに各上場企業が理想とする個人投資家ということになる。
「利用者は短時間で情報を取得するだけでなく、それを元に投資判断をしていかなくてはならない。月に数回の取り引きをする人でも判断の時間短縮は常に求めていることなのです。それから情報の一覧性も当社にとっては重要。各社バラバラな指標で情報開示しても利用者は戸惑うだけです」(桐山氏)
これはサイトのデザイン、PDFにした資料データ、すべてに適用できるノウハウといえる。一覧性をできうる限り重視すること、これは何度も閲覧してもらうためでもあるが、サイトを運営している企業そのものへの信頼感にも影響する。
例えば業務の紹介、説明をする場合でも、財務状況を説明する場合でも、何度もクリックしないと、その企業のコメントが出てこないのでは、途中で投げ出されてしまう。
大まかな業績の数字を見てもらってから、クリックすると細かな財務の説明があり、続いてクリックしないと、全体の業績に対するその会社のコメントが出てこないというのでは、結局は「この会社は意見を持たない企業だ」と判断されてしまう可能性がある。こういう場合はすべて一つの画面にまとめるようにした方がいい。
ウェブIRでは効率性が求められるが、しかし同時にコンテンツの豊富さ、新鮮さも求められる。これらの両立がポイントとなるのは間違いない。
この記事はアイティセレクト9月号掲載のものを再編集したものです。
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