BEAのチュアングCEOが凱旋、未曾有の成長を遂げる中国で「SOA 360°」を売り込むBEA World 2006 Beijing Report(2/2 ページ)

» 2006年12月13日 17時16分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 BEAは9月、サンフランシスコのBEA Worldカンファレンスで「BEA SOA 360°」と呼ばれる構想を明らかにした。先ごろ、東京のBEA Japan Forumでも日本の顧客やパートナーらに披露されたばかりだ。

 ここ北京のBEA Worldでは、キーノート後の記者会見でビジネスインタラクション部門(旧Plumtree Softwareと旧Fuego)を統括するマーク・カージス執行副社長が同構想を説明している。

記者会見でチュアングCEO(左)とともに質問に答えたカージス氏

SOAでサービスインフラ自体も再構築

 BEA SOA 360°は、SOAの実現にかかわるビジネスアナリスト、ITアーキテクト、開発者、運用管理者らに共通のツールやユーザー体験をもたらす統合コラボレーションツール環境の「WorkSpace 360°」と、Tuxedo、WebLogic、およびAquaLogicのさまざまな機能がサービスとして提供される「microService Architecture」(mSA)からなる。

 mSAは、ちょうどOracleが買収したさまざまなアプリケーション群をSOAアプローチで再構築してるのと同じことをミドルウェアレベルでもやろうというもの。

 「顧客はこれまでTuxedo、WebLogic、およびAquaLogicを別々に購入していたが、mSAではニーズに応じて必要なサービスインフラストラクチャーだけを利用する道も開ける。また、ほかのISVらも自社のサービスインフラストラクチャーと組み合わせたり、製品に組み込んだりして活用できるようになる」とカージス氏。ミドルウェアのスイート化を推し進めるOracleのアプローチとは対照的だ。

 一方のWorkSpace 360°は、さまざまな開発ツールをEclipseのブラグイン化して統合していくと同時に、開発に関連するメタデータをリポジトリに格納し、ビジネスアナリスト、ITアーキテクト、開発者、および運用管理者らが連携しながらSOAを実現できる環境だ。

 同社は2003年、フロリダ州オーランドのBEA eWorldカンファレンス(BEA Worldの前身)で「Converge」(収れん)をテーマに掲げ、WebLogic Platform上でアナリスト、アーキテクト、開発者らが連携できる世界を描いてみせた。形こそ違うものの、数年後の今、その約束を果たそうとしている。

 BEAでは、2007年を通じて、mSAに基づいて「マイクロサービス」として整理されたTuxedo、WebLogic、およびAquaLogicが順次リリースされるとしており、この日、その最初のステップとなる「BEA WebLogic Server 10」のテクノロジープレビューが発表されている。WebLogic Server 10は、Java Enterprise Edidion 5とEJB 3.0といった最新のJava仕様が実装され、2007年第1四半期に広範なリリースを予定しているという。

障害を未然に防ぐGuardianサポートサービス

 BEA World 2006 Beijingでは、障害の発生を未然に防ぐ「Guardian Support Service」の評価バージョンのリリースを来年1月に、広範なリリースを2月に行うことも明らかにされた。

 Guardian Support Serviceは、Signature Patternsフレームワークを利用し、稼動中のBEA製品を分析・診断し、改善策を提示することで、バージョンのコンフリクトやバグ、性能の低下、セキュリティの脆弱性といった問題を解決し、障害の発生を未然に防いでくれる。ダウンタイムの削減や運用負荷の軽減が狙いだ。

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