RSSフィードの表示が良い題材だと筆者は考えている。
RSSフィードは、ネットサーフィンして訪問すべき新しいページの存在を告げるものであり、まさにポータルページに表示すべき内容である。それと同時に、Windows Liveが提供するRSSフィードの機能があまりにも基本的すぎており、工夫する余地が大きい点もポイントだ。例えば、個人のブログのRSSフィードを多数登録すると、更新頻度が低いブログも多いことが分かるだろう。もしも100個のRSSフィードを集め、その中で更新されたブログが数個だったとしよう。その数個を探す手間は相当のものだ。そのような問題を解決するLiveガジェットを作れば、きっと歓迎されることだろう。
更にもう1つ、RSSフィードが好ましい理由がある。それは、LiveガジェットのSDK(開発環境のキット)に含まれるサンプルソースに、RSSフィードを扱うものが存在しているからだ。フレームワークにRSSフィードを扱う機能が含まれている。これらを利用すれば、初めてRSS Liveガジェットを作るためのハードルがグッと低くなる。そして、いちどハードルを超えてしまえば、あとは小さな修正を繰り返すことでオリジナルLiveガジェットを仕上げていくことができるのだ。
今回、この記事のために筆者が作ったLiveガジェットを紹介しよう。
「ITmedia エンタープライズ」の4つのRSSフィード(「エンタープライズ新着」「特集」「コラム」「ブログ」)を表示する特定サイト専用、RSSフィードのLiveガジェットである。
Windows Live標準のRSSフィードとの相違点は以下の2つだ。
これらは、Windows Live標準のRSSフィードに対する改善点として、アイデア提示ともいえる。
しかし、このLiveガジェットは100%の完成品ではない。アイデアの提示は、あくまでその域を超えず、さまざまな工夫によって改善していく余地を残している。また、ITmedia エンタープライズが提供しているRSSフィードは合計21あり、この4つだけではない(関連リンク)。
次なるステップの提案としては、この21のフィードの中から自分が使うものを選び出し、ソースコードに追加することだ。これであれば時間もそれほど掛からない。
もちろん、RSSフィードを全て差し替えて、ITmedia エンタープライズ以外のサイトのためのLiveガジェットにすることも可能だ。
このように発想を膨らませていき、自分なりのLiveガジェットカスタマイズを楽しんでいただきたい。この面白さを体験してもらうことが、このLiveガジェットを作った目的である。
つまり、繰り返しになるが完成度が100%でないことは読者の人数分だけのバリエーションが生まれる可能性を意味するのである。そして、利用者はその無数のバリエーションから、自分のニーズや趣味にあったものを選び出す楽しみが得られることになる。
それこそが、この記事での目的、そしてインターネットで人気となっているマッシュアップが受け入れられている理由でもある。
前述したもの以外に、このLiveガジェット改良のアイデアを幾つか示しておこう。
これらは単なるアイデアに過ぎず、本当に必要であるかは分からない。探求し、確かめるのは読者のあなたである。
さて、前半となるこの記事では、実際のコード解説に至らず、まずはパッションを感じていただきたいことを核とした。次回の後編では、サンプルソースを見ながら、Liveガジェット開発の渋い魅力について語ってみたいと思う。
そう、Liveガジェット開発は“渋い”のだ。W-ZERO3やVistaのサイドバーガジェットと比較して、とても渋いのである。表示内容を、DOMのメソッドを使って1つ1つcreateして行かねばならないのは、Liveガジェットだけである。しかし、それには必然性と価値がある。それを解き明かし、見い出していくのが、Liveガジェットの面白さというべきものだろう。
そう……、PCホビイストであれば“面白い”と思える限り、どこまでも探求することができるのだ。
なお、オンライン・ムックPlus「Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ」では、“Liveガジェットのアイデア募集”を行っている。読者から寄せられたアイデアは、本特集上で優秀作やアイデア傾向などを紹介していく予定だ。
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