Intelの4Q決算、減収減益もモバイルとサーバ向けプロセッサの売り上げは過去最高に

インテルの吉田共同社長は1月17日、今年初めてとなる記者懇親会に臨み、「2006年のPC市場は厳しかったが、良い結果で終えられ、次につながる」と第4四半期決算を総括した。

» 2007年01月17日 15時02分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 インテルは1月17日、今年初めてとなる記者懇親会を都内のホテルで行い、米国で明らかになったばかりの第4四半期決算について説明した。第4四半期の売り上げは前年同期比5%減の97億ドル、純利益も39%減の15億ドル、通期でもそれぞれ9%減の354億ドル、42%減の50億ドルに終わった。

 吉田和正共同社長は、「2006年のPC市場は厳しかったが、Coreマイクロアーキテクチャーへの移行が進み、第4四半期のモバイルおよびサーバ向けのプロセッサの売上高は過去最高となった。良い結果で終えられ、次につながる」と話した。

 インテルは昨年6月、ボリュームサーバ向けのデュアルコアXeon 5100番台を出荷したのを皮切りに、7月にはデスクトップおよびモバイル向けのCore 2 Duoプロセッサを投入し、新しいCoreマイクロアーキテクチャーへの移行を進めた。

 「世界で2億3000万台、国内でも1350万台のPCが出荷され、そのほとんどがインターネットにつながっている。企業や個人のインフラ基盤としての位置付けはますます強まっているが、その一方、地球規模の温暖化対策の気運もあり、プロセッサにも性能だけでなく低消費電力が要求された。それに答えたのがCore 2 Duoだった」(吉田氏)

 Core 2 Duoプロセッサは7月から累計で600万個を出荷し、過去最速のペースで立ち上がっているという。11月には、ライバルに先駆けて、クアッドコアとなるXeonプロセッサ 5300番台を投入、先ごろのConsumer Electronics Show(CES)では、デスクトップおよびモバイル向けのCore 2 Quadプロセッサもデビューさせている。

次につながる第4四半期

 「次につながる第4四半期だった」と吉田社長が話すとおり、2007年はデスクトップおよびモバイルで大きな進展が期待できそうだ。

 今年前半にも投入されるのが、次世代Centrino「Santa Rosa」だ。Santa Rosaでは、「Merom」と呼ばれる、さらに省電力化が図られた新しいCore 2 Duoプロセッサや、最大600Mbpsの通信速度を実現するIEEE 802.11n Wi-Fiアダプタ「Kedron」、フラッシュメモリを使って起動を高速化する「Robson」技術などが組み合わせられ、消費電力効率をさらに改善するとともに使い勝手の大幅な改善も狙っている。現在はデスクトップに限定されているvProテクノロジーがモバイルにも展開されるという。

 「インテルは、2003年にCentrinoをローンチしたとき、WiFiホットスポットの整備にも努めた。次のチャレンジは、携帯感覚でアクセスできるWiMAXの普及だ」と吉田氏。

 すでに同社ではWiMAXとWi-Fiを統合したモバイルWiMAXベースバンドチップの設計を完了している。

 吉田氏は、「日本がブロードバンド立国を実現していくためには、WiFiとWiMAXの組み合わせた高速データ通信の普及を加速すべきだし、そのインフラ構築のためにインテルとしても力になりたい」と話した。

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