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» 2007年11月03日 06時00分 公開

Weekly Access Top10:果たして企業内コミュニケーションは変わるのか

マイクロソフトが推進する「ユニファイドコミュニケーション」。全世界規模で多数パートナーと連携し企業への導入を目指している。フェイストゥフェイスを重視する日本人にも受け入れられるのだろうか。

[伏見学,ITmedia]

先週に引き続き、成果主義の悪夢? 部下の運命を左右する上司の「ひと言」がランクインした。先日当社でも査定面談が実施された。今では一般的になった成果主義に基づくMBO(目標管理制度)を導入しており、編集長と目標について小1時間話し合った。

 記事のように社員を管理していないというのは上司としてあるまじき行為である。しかし、社員側も日ごろからコミュニケーションをとっておくことが組織では求められるだろう。

 話は変わって、10月17日、マイクロソフトが「ユニファイドコミュニケーション」(UC)に基づく製品群を発表した。UCとは企業内でのコミュニケーションを合理化することで、人の手作業による遅れを削減し、業務のスピードアップを図るというコンセプトを持つ。

 発表された新製品は、統合型コミュニケーションソフトウェア「Microsoft Office Communications Server(OCS) 2007」、クライアント用ソフトウェア「Microsoft Office Communicator 2007」、SaaS型のWeb会議サービス「Microsoft Office Live Meeting」、360度の全方位カメラを搭載した会議用デバイス「Microsoft RoundTable」の4つとなる。

 これらUC製品の中核となるのがOCS 2007だ。電子メール、電話、インスタントメッセージ(IM)、スケジューラやOffice製品などのツールをすべて連動させたコミュニケーションが可能となる。同社によると企業で高い評価を受けたのが「プレゼンス機能」であるという。相手の状況をリアルタイムで把握し最適な連絡手段を選択するほか、相手に応じて公開情報を細かく設定することで社外の人とも迅速にコミュニケーションできるようになる。

 「Office Sharepoint Server 2007」と近しい点もあるが、Sharepointはポータル機能をベースにナレッジ共有するツールで、OCSはあくまでリアルタイムにコミュニケーションを行うツールである点で異なる。

 UC製品によってビジネスプロセスは短縮化される。LiveMeetingやRoundTableを使えばオフィスにいながら世界中の人々とオンライン上で直接会話をすることもできる。

 しかし、果たして日本企業に受け入れられるかどうかは疑問である。何度かデモンストレーションを見た感想としては操作性が複雑である。さまざまなアプリケーションの連携が鍵となるわけだが、それらを使いこなすにはある程度のPCスキルが問われる。UCのコンセプトは企業全体の効率化であるため、一部の社員だけに浸透するという状況では目的を達成できない。

 また現状でアプリケーションは同社製品で統一しなくてはならない。例えばモバイル端末で社内PCにアクセスしメールやスケジュールなどを確認する場合は、「Windows Mobile」を搭載する携帯電話やPDAが必要となる。従って、導入するには環境を一から再構築しなくてはならない可能性がある。世界中に拠点を持つ日産自動車などのグローバル企業はともかく、中小企業についてはまだここにコストを掛けるほどコミュニケーションの重要性は浸透していないようにも思える現状を考えると、こうした製品が中小企業企業から熱い視線を向けられるのはもう少し先の話になりそうだ。

 10月24日から26日まで東京ビッグサイトで開催された「Biz Innovation 2007」では、同社およびUC戦略パートナーの展示ブースが設置された。国内企業の反応については「メーカーやゲーム会社などの開発・制作部門で引き合いがある」(システム大手)という一方で、「日本ではフェイストゥフェイスによるコミュニケーションが好まれる。普及には時間が掛かるのでは」(同)という意見も出た。

 11月1日からOCS 2007およびLiveMeetingの販売が開始された。同社は売り上げ目標を非公開としているが、今後どのようなビジネス戦略を持って製品を拡大していくのか注目したい。

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