それに伴い、OCSやSametimeに対応するUC製品が相次いで登場した。Cisco systemsの無線LAN対応型IP電話「Cisco7921G」や固定型IP電話「Cisco7961G」、Avayaのモバイル端末向けアプリケーション「one-X Mobile」、NECのソフトフォン「UNIVERGE Soft Client SP350」などの通話製品から、ビデオ会議システムやアクセスルータなど多岐にわたる。また、NECやユニシスではUC製品のインテグレーションを手掛けるサービスを強化するなど、さまざまな動きがあった。日産自動車のように、UC製品を大量に導入する企業も現れた。「数年前に消えかかった火が再び燃え上がった」(IP通信大手)という言葉に象徴される1年だった。
ただし冒頭で述べたように、一般のユーザーにとってUCはまだなじみのないものだろう。米TechTargetが約500人の読者を対象に実施した調査では、回答者の81.2%がUCについてもっと学習する必要があると答えた。
また、英DatacraftとシンガポールのDimension Dataが、米国、アジア太平洋、ヨーロッパなど13カ国のIT担当者390名およびエンドユーザー524名を対象に行った共同調査では、IM、ブログ、ソフトフォンが集中力を阻害し、業務に悪影響を及ぼす可能性があるという結果が出た。
このように、企業とユーザーではまだ温度差があるのが現状だ。
UC製品のリリースラッシュは一段落した感がある。2008年には、実際に導入した企業からの反応が多く得られるはずである。日本の文化には根付きにくいとも言われるUCが、果たしてどこまで受け入れられるのか、そして導入前後でどのくらい企業パフォーマンスが向上するのか注目していきたい。
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