日立や富士通のように専用モデルを用意しないまでも、そのほかのベンダー各社もオフィスでの設置に耐え得る程度の静音性を実現しており、シャーシをタワー型サーバのように設置可能にしている場合もある。
HPは、最新のシャーシ「BladeSystem c3000エンクロージャ」にキャスターが付いた縦置きのタワー型シャーシを用意している。このシャーシは100V電源もサポートしており、タワー型のサーバを利用する感覚でオフィスに設置することが可能だ。サーバブレードをはじめ、ストレージブレードやインターコネクトモジュール、冷却ファンなどはすべてほかのシャーシと共通で、ブレードサーバの豊富なオプションがそのまま利用できるのは魅力だ。
IBMは、オフィス向けに「BladeCenter S」をラインアップしている。シャーシの外観は一般的な7Uラックマウント型だが、100V電源への対応、ストレージブレードのうち内蔵など、オフィスでの設置を考慮した仕様になっている。また、シャーシを格納する11Uサイズの静音ラックも用意されており、このラックに格納すれば音量レベルを人の話し声やテレビの音並みの約60dBに低減できる。
NECの「SIGMABLADE」では、小型収納ユニット「SIGMABLADE-M」向けに100V対応静音電源ユニットを用意。オフィス設置向けにSIGMABLADE-Mを収納できる13Uサイズのラックもラインアップしている。
デルとサンは、いずれも100V電源対応のブレードサーバはなく、オフィス向け製品のラインアップも未定だ。ただし、デルはシャーシにブレードを組み込んだ状態で出荷するなど導入時の容易さをウリの1つとしているほか、ラックマウント型サーバでは4ソケットでも100V対応製品を用意しており、オフィス向け製品に決して消極的ではない。時期は不明だが、いずれはデルからもオフィス向けブレードサーバが登場してくるだろう。
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