Google、Salesforce.com vs Microsoft クラウドコンピューティングバトル2009壮絶な殴り合いに発展か(2/2 ページ)

» 2009年01月09日 13時30分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK
前のページへ 1|2       

予想5 従業員1000人以上のサーバレスカンパニーが出現する。2009年には完全にサーバレス化する企業が増加するだろう。

記者の視点 別の言い方をすれば、中堅企業や大企業がクラウドにすり寄ってくるというわけだ。当然だろう。Gmail経由でGoogle Appsに急速に移行しつつあるSerena Softwareは、いずれサーバレス化へ向かうと明言している。そのほかのハイテク企業やハイテク以外の先端企業も、将来クラウドへ完全移行しないと言い切れるだろうか。今後5年ほどは、Microsoftが描くハイブリッドモデルがITの現実的な姿かもしれない。だが、その先は間違いなくサーバレス時代がやってくるだろう。

予想6 プライベートクラウドが流行する。プライベートクラウドについては今後も過剰な宣伝が続くだろう。だが、ほとんどの顧客は、ちょっと便利なデータセンターの程度のものであることに気付く。ただし、膨大な量のトランザクションや厳格な規制、セキュリティ要求を満たさなければならない顧客は、それなりの価値を見いだすだろう。

記者の視点 正直、この点についてはあまり考えたことがない。Appirioの議論は筋が通っているが、われわれが気にすることでもないのではないか。コンピューティング市場に占めるプライベートクラウドの比率は、果たしてどれくらいだろう。

予想7 ビジネスインテリジェンス(BI)がSaaSの次のファンクションエリアになる。ここ数年は、CRM(顧客関係管理)とHRM(人的資源管理)アプリケーションがSaaSへシフトするためのポスターチルドレンになった。同じことがオンデマンドBIによって起こるだろう。

記者の視点 その通り! これには全面的に同意する。Panorama、PivotLink、LucidEra、Business Objectsなどが推進力になるだろう。BIはここ数年で、オンプレミスソフトウェアのビッグマーケットに成長した。クラウドへ移行する企業が、同じようにBIをクラウドにフックしたいと思わない理由があるだろうか。ここだけには明るい未来がありそうだ。ただし2009年の経済情勢は厳しい。この先どうなるかは、まだまだ予断を許さない。

予想8 SAPかOracleがPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)市場に参入し、少なくとも今後数年以内に構築しようとしている新しいクラウドプラットフォームについて語り始めるだろう。

記者の視点: OracleやSAPすでにSaaSに着手している。問題は、自社製品周辺にプラットフォームと開発環境を提供するために、Microsoft側に新参者として加わるかどうかだ。それは両社のパターンではないように思える。ただ、Oracleは巨大なレガシーデータベースソフトウェアを持っており、Amazonやほかの顧客を失わないためにも、クラウドデータベースを提供しなければ不合理だろう。SAPが最先端企業であることは誰も否定できないが、もしクラウドに脅威を感じているとすれば、アプリケーション開発者にビッグプラットフォームを提供するはずだ。しかし、OracleもSAPも、GoogleやSalesforce.com、Zoho、Amazon Web Servicesがやっているようなクラウドコネクションはやっていない。両社はどちらかというとWindows Azure型――すなわち、クローズドエコシステム――を目指すだろう。

予想9 企業はソーシャルネットワークの使い方を発見する。人事やマーケティング部門はソーシャルネットワークを日常業務に応用する道を探り当て、企業はFacebookやTwitter、LinkedInなどのソーシャルネットワークに接続するビジネスアプリケーションを活用するようになる。

記者の視点 これは間違いないだろう。しかし、ソーシャルネットワークを企業内で利用するに当たって、さまざまな法的問題が生じる点も確認しておきたい。責任、信頼、説明責任、良識など、そのパイにはさまざまな要素が含まれている。

予想10 少なくとも1億ドルのソフトウェア製品が1つ、Force.com上に構築される。オンデマンドプラットフォーム上で大規模のビジネスを展開することは不可能だという神話は2009年、年間売上高1億ドルの可能性もあるPaaS対応アプリケーションの登場とともについに覆される。

記者の視点 これについては同意できない。現在の経済情勢を考えれば、2009年ではない。もちろん、Appirioはわれわれの知らない内部情報をつかんでいるのかもしれない。だが来年、Force.comから売上高1億ドルの製品が出現するなど、誰に想像できるだろうか。

前のページへ 1|2       

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ