JUASは4月8日、2008年10月から2009年3月にかけて実施した「企業IT動向調査2009」の結果を発表した。IT予算の伸びは2007年度がピークで、2009年度のIT予算は前年割れが必至という。
社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は4月8日、2008年10月から2009年3月にかけて実施した「企業IT動向調査2009」の結果を発表した。IT予算の伸びは2007年度がピークで、2009年度のIT予算は前年割れが必至。2009年度は大企業でIT予算の削減が鮮明になり、大企業の4割が減少させるという。売上高が大きい企業ほど影響が深刻で、売上高が「1兆円以上」のDI値はマイナス19と大きく落ち込んだ。業種別では、2009年度は「金融」「サービス」が大きく落ち込み、輸出関連企業の多い「製造業」はDI値がマイナスになるとしている。
2008年度のIT予算額(保守運用費+新規投資)の計画について、2007年度の実績と比較すると、57%の企業が「増加」したと答えている。逆に「減少」した企業は29%でだった。前年調査では、増加が61%、減少は22%だった。08年度のIT予算額は、07年度の勢いには及ばないものの、依然として過半数の企業が増加させるなど、旺盛な投資意欲に満ちた年だったとしている。
1社当たりの平均予算額も、07年度実績の21億5300万円から08年度は23億3200万円へと約8%の伸びとなった。増加と減少の割合を指数化したDI値(増加割合−減少割合)は28。前年調査に比べ10ポイントの減少となったものの、01年度以降では07年度に次ぐ2番目の大きさだった。ただし、今回の調査は08年11月に実施したものであり、その後、景気が猛スピードで後退し、多くの優良企業が赤字決算の見通しを発表している状況を見ると、08年度のIT予算の実績は、計画値を大幅に下回る可能性があると予測している。
一方、09年度の予測についてみると、「増加」を予測する企業、「減少」を予測する企業ともに同数の35%であり、DI値は0となった。前年調査時の08年度予測の15と比べると15ポイント減となり、ITバブル後の04年度以来の大幅な悪化となった。1社当たりの平均予算額は、08年度計画の23億3200万円から23億200万円へと約1.3%の減少となっている。
アンケート実施後の経済状況の悪化を勘案すると、実際の09年度のIT投資は、さらに悪化する事は避けられない状況と考えられるとJUASは分析している。
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