2008年度における国内ITサービスで売上高1000億円を超えるベンダーは12社。前年比プラス成長は富士通やNTTデータなど5社にとどまった。
調査会社のIDC Japanは9月2日、国内ITサービス市場におけるベンダーの競合関係を分析し、結果を発表した。2009年3月期(2008年度)は同市場における売上高が縮小するベンダーが増える見通しだ。
2008年度における国内ITサービスの売上高が前年比でプラス成長になるのは、富士通、NTTデータ、日本HP、伊藤忠テクノソリューションズ、野村総合研究所の5社にとどまる。売上高が1000億円を超えるベンダーは12社になる見通し。
売上高が拡大したのはITホールディングス。2008年4月にTISとインテックホールディングスの経営統合によって設立した同社の2008年度の売上高は2000億円を超え、全体で6位にランクインした。2007年度に1000億円超の売上高を誇っていた新日鉄ソリューションズおよび大塚商会は、1000億円を下回った。
市場全体の不振の原因は、国内経済の悪化に伴い、ITサービスを提供しているベンダーにその影響が及んだから。ITベンダーの多くが2009年度のITサービス事業の減収減益を計画しており、今後も国内ITサービス市場の低迷が予測される。
IDC Japan ITサービスリサーチマネジャーの松本聡氏は「ベンダーの経営課題は収益力の強化。クラウドコンピューティング関連の新サービスも開発が進んでいるが、市場拡大期とは異なる市場環境であることを認識し、成果報酬型のサービス契約など抜本的な収益モデルの見直しが必要だ」とコメントしている。
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