KDDIがベトナムにデータセンターを構築、国際IP-VPNの新サービスも

KDDIは、ITXおよびベトナム大手SIのFPTと合弁でTier3相当のデータセンターを構築する。国際IP-VPNの新サービスも開始した。

» 2009年12月17日 13時26分 公開
[ITmedia]
事業説明する石川氏

 KDDIは12月17日、海外事業に関する記者説明会を都内で開き、ベトナムでのデータセンター設立と国際IP-VPNの新サービス「Global IP-VPN エコノミー」を発表した。新サービスは同日から始めている。

 ベトナムに設立するデータセンターは、同社が「TELEHOUSE」ブランドで展開するTier3相当の設備を持つ施設。ITXおよびベトナム大手のシステムサービス会社FPT Information Systemsとの合弁で運営し、2010年3月に運用を始める。

 ソリューション事業を担当する執行役員の石川雄三氏は、「日系企業の進出が盛んながらインフラ整備が遅れており、データセンター需要は年平均27%の成長が見込まれる」と話し、2013年に約60億円の市場規模になると予想。うち約6億円の売り上げを新設のデータセンターで計画する。

 合弁での出資比率はKDDIが34%、ITXが15%、FPTが51%で、同国での外資規制が解除され次第のKDDIの出資比率を高めて51%にさせるとしている。

 Global IP-VPN エコノミーは、米ネットワークサービスのVirtelaと共同で提供するもので、アクセス回線にDSLを使用するのが特徴。バックボーンは従来と同様に閉域MPLS網を経由させるため、従来より利用料金を抑えつつ、遅延やパケットロスの少ない品質で提供できると石川氏は説明した。

 サービス提供地域は120カ国で、契約および請求、DSL回線、ルータなどのレンタルをワンストップで日本から提供するという。料金は利用形態によって異なるが、従来よりも2〜3割安価になるとしている。

 同社では2012年度に海外事業で2000億円の売り上げを計画しており、データセンターサービスやネットワークサービスを中心に展開する。データセンターでは12月に南アフリカのケープタウンにセンターを開設したほか、ネットワークサービスでは2012年の運用開始を計画する17テラbpsの回線容量を持つ「SOUTH-EAST ASIA JAPAN CABLE SYSTEM」の構築を進める。

 バングラデッシュではUQWiMAXが現地で固定WiMAXの基地局を展開する計画で、将来的なブロードバンドインターネット普及を見込んだ先行投資を進める。石川氏は、「計画は順調に推移している。特に成長著しい国や地域ではインフラ整備を支援することで日系企業の進出を促していきたい」と話している。

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