資格でメシが食えるか？：ドジっ娘リーダー奮闘記（3/3 ページ）

[小俣光之，ITmedia]

　IT業界の仕事に資格は必須ではない。しかし、タイミングや環境、そして自分の状況によって、資格が生きてくる場合もある

タイミング

• 就職活動時　未経験、かつ特にアピールするものがないときには有効だ。知識レベルややる気をアピールできる
• 査定時　一部の会社では昇進の基準になっている。しかし今は、実力主義の会社がほとんどだ
• 報奨　対象にならない会社が多い

環境

• 対外的に資格保持者人数をアピールする会社では、資格取得が奨励される
• 会社間の契約で資格が必要なこともある

自分の状況

• 資格取得は勉強のきっかけになる
• 自分の目標が見えない時にはお勧めだ

　資格の価値は、それが何に活用できるかによって変わる。資格取得を悩んでいる人は、何のためにそれが必要なのかを考えてみるといいだろう。

春美ちゃん　ところで、輩田さんはどんな資格を持っているんですか？

輩田さん　わたしか？　なーんにも持っていないよ。

みんな　ええぇっ？

輩田さん　わたしには資格なんて必要ないんだよ。本やブログを書いたり、さまざまなコミュニティーに参加したり……。やりたいことがたくさんあるから、資格取得よりも自分の特技を伸ばす方に時間を使いたいしね。それに、なんと言ってもわたしは仕事ができるからな、資格がなくても大丈夫というわけだ。うわっはっはーっ！　それでは諸君、わたしはここらでドロンするよ。

　「輩田さんの話って、なーんか自分に都合のいい解釈という気がしなーい？」「そうだよねー」「僕、やっぱり急いで資格取ります」。小声で話し合うしんこちゃんたちを置いて逃げるように自分の席に戻った輩田さん、実は何度も資格取得にチャレンジしているのですが、本番で緊張してことごとく失敗していたのです（やばいやばい、危うくわたしがナイーブだとばれるところだった。こうなったら誰も持っていない資格を取って自慢してやろう）。

　それから1カ月たったある日のこと、輩田さんは出社するなりしんこちゃんに報告しました。「しんこちゃん、聞いてくれよ。わたしも検定に合格したんだ。『坂本龍馬 幕末歴史検定』だよ、珍しいだろう？」

しんこちゃん　輩田さん、おめでとうございます。でもそれ、わたしも持ってます。高校時代は歴史研究部にいたので、坂本龍馬についても詳しいんです。「しんこは龍馬の嫁」って言われてたんですよ。

輩田さん　しんこちゃんには勝てないなあ、トホホホホ。

著者プロフィール：小俣光之

　日本シー・エー・ディー株式会社代表取締役社長・現役プログラマー。
多趣味で話し好きで説教臭い。
ITmedia オルタナティブ・ブログの「プログラマー社長のブログ」執筆中。
著書に、「プログラミングでメシが食えるか！？」、「プログラミングでメシを食わせろ！！」など。

（構成：鈴木麻紀）

変更履歴：「足切り的に」を「門前払いのために」に変更いたしました。［2010/04/15 15:08］

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