MMD研究所の調査によると、Twitterを活用している企業は回答者全体の2割を超えた。また、Twitterを活用しているユーザーの半数以上が、導入効果を前向きに評価していることが分かった。
MMD研究所は4月19日、「企業でのTwitter導入に関する動向調査」の結果を発表した。同調査によると、企業活動にTwitterを活用している企業は、回答者全体の2割以上となった。
企業のTwitter導入について、モバイル利用者を中心としたMMD研究所のパネル(登録回答者)およびTwitter経由で募ったユーザーから回答を集めた。調査期間は4月9日から14日で、有効回答数は673件。回答者の企業の業種トップ3は「Web・モバイル制作」(17.5%)、「オンラインメディア・コンテンツ運営」(12.8%)、「総合・一般広告代理店」(11.7%)である。
企業の事業活動におけるTwitter導入の有無を聞いたところ、24.5%が「導入している」と答えた。事業に活用しているWebコンテンツとしては「コーポレートサイト」(74.7%)、「広報ブログ」(26.7%)に次ぐ回答率だった。広報ブログとTwitterの導入率が近づいており、「企業(が運営する)ブログよりもTwitter導入の早さが目立つ」(MMD研究所)結果になっている。
Twitterを導入している回答者に対して、公開しているTwitterアカウントの名称を訪ねたところ、1位は「企業名」(61.2%)だった。以下、「企業、商品などのキャラクター名」(35.2%)、「担当者名」(25.5%)が続いた。一部の企業では担当者の実名や企業のキャラクター名を用いたTwitter活用が見られるが、一般的には、Twitterアカウントに企業名を使う割合が多い傾向となっている。
Twitterの利用目的は「広報活動」が75.8%でトップ。2位は「マーケティング・販促」(56.4%)、3位は「自社サイトのアクセスアップ」(36.4%)だった。
Twitter導入の効果においては、回答者の過半数が効果を実感しているという結果が得られた。具体的には「非常に効果が出ている」(5.5%)、「それなりに効果が出ている」(45.4%)という回答だった。
一方で、導入効果が「よく分からない」という回答も21.2%を占めた。「各企業が用途・手段を模索しながら(Twitter活用を)試行錯誤している」(MMD研究所)様子が推察される。
Twitter導入の具体的な効果としては、「Twitter経由で顧客から問い合わせが来た」という回答が35.2%に上った。「取引先とメッセージのやりとりをしている」も17.6%を占め、Twitterを顧客とのやりとりに活用する企業が目立ち始めている。
だが、マイナス面も浮き彫りになっている。具体的には、「スパム的なメッセージ、ツイートを受信した」(13.2%)、「自社の利益を損なうような悪口・クレームをツイートされた」(8.5%)という回答も挙がった。
メリット・デメリットについて「いずれもない」という回答は51.5%に上り、半数を超えた。全体としては、Twitterによる導入効果が明確に出ていないという傾向だ。MMD研究所は「フォロワー数が少ないと、情報の波及効果も小さい。Twitter活用を続けるべきか手探りの企業も多いのではないか」と話している。
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