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» 2010年10月15日 08時00分 公開

自動音声診断によって顧客自身でトラブルを解決NECのPCを支えるコンタクトセンター(2/2 ページ)

[伏見学,ITmedia]
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約半数はオペレーターにつながる前に問題解決策を提示

 自動音声診断とは、オペレーターの診断ノウハウをIVRに組み込み、オペレーターのリソースに依存しない形でユーザーのPC故障に関する問題を解決するサービス。121CCのオペレーターのトラブル解決経験を基に開発したWebサービス「トラブル・故障診断ナビ」などをIVRに移管して実現した。問診は「Yes」「No」の2択でテンポ良く進んでいくため、顧客はストレスを感じることなく問題解決に向かうことができるという。121CCの受付時間内であれば、途中で相談をオペレーターに引き継ぐことも可能である。顧客の約50%は自動音声診断によって問題解決策を提示できているという。

 自動音声診断は、すぐにCS向上やコスト削減による効果をもたらした。同社が独自に行った調査によると、自動音声診断の導入によって顧客の全体的な満足度が高まったほか、顧客が問題解決できたときの評価は、有人(オペレーター)よりも無人(自動音声診断)の方が、高い評価を得た。そうした顧客からの反響もあり、2010年7月には自動音声診断を24時間サービスに変更した。

「以前、121CCは24時間365日の電話サポートを行っていたが、深夜の問い合わせ件数が少ないことやエコ貢献などの理由から、現在では午前9時から午後9時までの対応となっている。自動音声診断のサービス拡大によって、今の時代にあったシステムによる24時間サポートを提供できるようになった」(安達氏)

開発スピードが大幅にアップ

 この自動音声診断を導入する上で不可欠だったのがコンタクトセンターシステムの刷新である。

121コンタクトセンターの様子 121コンタクトセンターの様子

 121CCのシステムは、コミュニケーションサーバをベースに、CTSシステム、データベース、CRMシステム、ナレッジ検索システムなどで構成されていたが、音声診断サービスを実現する上で、柔軟性などの面からIVRに問題を抱えていた。当時導入していたIVRはメニューの開発、変更などに専門的な技術力が求められたため、多くのコストや時間がかかっていた。「音声診断の項目は顧客のニーズに応じて臨機応変に追加、変更しなければならない。俊敏に開発できるIVRが不可欠だった」と安達氏は振り返る。

 そうした問題を解決すべく、新たなIVRとして採用したのがジェネシス・ジャパンの音声セルフサービスソリューション「Genesys Voice Platform(GVP)」である。同製品は、インターネットの標準技術を採用することで、自動音声メニューの拡大や仕様の変更、顧客ごとのパーソナライズ化したメニューの提供などが容易に実現できる。

 システム開発を担当したNECパーソナルプロダクツ プロセス改革推進部 主任の鈴木啓太氏は「GVPはVoiceXMLという言語を用いているためWeb技術者でも開発可能であり、コスト削減に一定の効果がある。品質面でも決して見劣りしない」とメリットを強調する。

 開発効率も大幅に向上した。以前のIVRでも音声問診を行っていたが、例えば、質問の分岐を1つ増やすのに、システムの開発からテスト、リリースまでで早くても3週間程度はかかってしまったという。同レベルの仕様変更であればGVPだと「3日間」(鈴木氏)としている。

 さらに、ほかの既存システムとのシームレスな連携も採用の決め手になった。先述したコンタクトセンター内のシステムはもとより、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)など外部システムとの連携も容易になるため、IVRにおけるサービスの幅がさらに広がるという。

 今後のコンタクトセンター事業の展望について、音声だけでなく、画像や映像などを用いた新しい顧客サービスを実現していきたいと安達氏は語る。その根底にあるのは、あくまでも「CSの追求」に変わりない。

「NECでは、電話(121cc)、Web(121ware.com)、出張サポートなどさまざまなサポートサービスメニューを提供している。今後はこれらをシームレスに連携、統合することにより、顧客により高い価値を提供していきたい」(安達氏)

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