「Google Chrome 9」の安定版リリース――3D描画技術「WebGL」搭載

危険度が最も高い「Critical」を含む9件のセキュリティ問題に対処したほか、プラグイン不要の3D描画技術「WebGL」を搭載し、「Chrome Instant」機能が加わった。

» 2011年02月04日 07時47分 公開
[鈴木聖子, 佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは2月3日、Webブラウザ「Google Chrome 9」の安定版をリリースした。

 最新版となるGoogle Chrome 9.0.597.84では、合計9件のセキュリティ問題に対処した。リスクレベルによる内訳は、危険度が最も高い「Critical」が1件、「High」が2件で、残りは低レベルに分類されている。うち2件の問題はMac版のみに存在する。

 Criticalレベルの脆弱性は、音声処理におけるレースコンディションに起因するもので、ソーシャルニュースサイトRedditのWebゲーム「Z-Type」を通じて見つかったという。

 Highレベルの脆弱性は、画像読み込みの際に解放済みメモリを使用してしまう問題と、PDFイベントハンドラの印刷に関するクラッシュ問題があった。いずれも外部の研究者が発見したもので、合計2000ドルの懸賞金が贈られている。

 セキュリティ関連以外では、「WebGL」「Chrome Instant」「Chrome Web Store」の3つの新機能が利用できるようになった。Chrome Web Storeは現在米国のユーザーのみが利用できるが、段階的に利用可能地域を拡大していくとしている。

 WebGLはWebブラウザ上で3Dコンテンツをレンダリングするオープンな技術で、HTML5のCanvasに3Dオブジェクトをレンダリングしたり、操作できる。WebGLのサポートによって、Googleが昨年12月に公開した「Body Browser」のような3D画像を、プラグインなどをインストールせずに見ることができるようになった。Body Browserをはじめとするデモコンテンツを集めたWebGL Experimentsのページで同機能を体験できる。

 Chrome Instantは、アドレスバーに検索語を入力していくと、Enterキーを押す前から検索結果やWebページの候補が表示される機能。つまり、Google Instantの機能だが、これをWebブラウザの設定で有効/無効にできる。設定はツールバーのレンチアイコン→「オプション」→「基本設定」→「検索」→「インスタント検索を有効にして検索や閲覧を高速化する」で行う。

 Chrome Web Storeは、昨年12月にChrome OS搭載Netbookのパイロットプログラム開始と同時に立ち上げられたWebアプリ向けストア。今回のアップデートでこの機能がWebブラウザに組み込まれ、新規タブでダウンロードしたアプリを管理できるようになった。

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