開発からセキュリティ対策まで、企業でのモバイル活用を包括的にサポートするという製品を日本IBMが発表した。
日本IBMは5月17日、企業でのモバイル活用を支援するとしたソフトウェア新製品「IBM Mobile Foundation V5.0」と、マルチOS対応のモバイルアプリ開発製品「IBM Worklight V5.0」を発表した。6月16日からダウンロード版、7月10日からメディアパック版の提供を始める。
IBM Mobile Foundationは、2月にIBMが買収したWorklightのアプリ開発、WebSphere Cast Ironを利用したクラウド連携、WorklightやTivoliのセキュリティ対策管理の3つの機能を統合した製品。企業でのモバイル活用に必要な要素を網羅したという。IBM Worklight V5.0は、Mobile Foundationの開発環境を単独製品として提供する。
Worklightは、Eclipseベースの開発環境でHTML5やJavaScriptなどを使いながら、iOSやAndroid、BlackBerry、Windows Phone向けのモバイルアプリの開発・保守が容易できるという。開発したアプリはMobile Foundationのサーバからユーザーに配信したり、アップデートや停止などの管理が行える。このサーバでは社内の業務システムや外部のクラウドサービスとの連携も担う。セキュリティ対策では端末の盗難・紛失対策、改造防止、構成管理などのほか、アプリの改ざん防止や認証管理、暗号化によるキャッシュデータの保護を可能にしている。
製品発表の場で専務執行役員 ソフトウェア事業担当のヴィヴェック・マハジャン氏は、「世界中の企業がモバイル活用を最優先課題に挙げ、IBMの戦略上で非常に重要な分野だ。エンタープライズアプリケーションの全てをモバイルに対応させ、5年後にはそれが“当たり前”という世界にしたい」と意気込みを語った。
またWebSphere事業部長の三戸篤氏は、「モバイル活用で課題となる異なったOSや端末への対応に伴う負担を一つの製品で吸収できる点も特徴。システムから端末に業務指示をプッシュ配信するなど、モバイルで生産性の高い業務を可能にする仕組みを多数用意している」と説明する。
製品価格は、Mobile FoundationのEnterprise Edition(社内利用を想定、利用する端末台数に応じて追加料金が発生)が1281万4500円から、Consumer Edition(コンシューマ向けビジネスでの利用を想定、端末台数が無制限で1種類のアプリを展開する場合)が2696万6000円から。Worklight V5.0はEnterprise Editionが495万5900円から、Consumer Editionが2154万5000円から。ソフトウェア開発者向けには開発専用ツールのDeveloper Editionを無償提供する。
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