2013年のクライアント仮想化導入率は21.2%、金融中心に拡大

IDC Japanは、4月に実施した国内でのクライアント仮想化市場の動向に関する調査結果を発表した。

» 2013年07月01日 16時27分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは7月1日、国内クライアント仮想化市場の動向について、4月に実施したユーザー調査の結果を発表した。2013年のクライアント仮想化導入率は、全社導入が4.4%、部分導入が12.2%、試験導入が4.6%、導入予定が3.9%、導入検討中が10.0%だった。2012年と比較すると本格導入と試験導入を合算した導入率は2.9ポイント高まったものの、一方で「関心なし」とする企業は約4割となり、前年とほぼ同じ割合だった。

 2012年調査と比べると、産業分野別では「金融」「流通/小売/卸売」を除く全ての分野で全社導入と部分導入を併せた「本格導入」の割合が増加した。本格導入の割合が高い産業分野は2012年、2013年ともに「金融」「情報サービス」「製造」となっており、この傾向は2011年から大きく変わっていない。特に「金融」は「全社導入」が8.7%、「導入済み」「導入予定」「検討中」まで合算すると6割で、最も全社導入および検討の進んでいる産業分野だった。

 従業員規模別では、従業員規模が大きくなるほど、導入率も上昇している。1万人以上の企業では「導入済み」「導入予定」「検討中」までの合算が6割近くに達し、大企業での導入が進んでいることが明らかになっている。

 2013年のモバイル仮想化導入状況は、「全社導入」が3.9%、「部分導入」が9.1%、「試験導入」が7.1%、「導入予定」が5.7%、「導入検討中」が15.0%だった。何らかの形で既に導入している割合は20.1%、モバイル仮想化製品を「導入予定」や「検討中」も含めると40.7%に達する。

 一方、「検討なし」「関心なし」とする企業は約5割に達し、クライアント仮想化製品導入の流れで、モバイル仮想化製品を導入するユーザー企業と、モバイルデバイスの業務活用あるいはBYOD利用で検討する企業との二極化が鮮明になった。

 IDC JapanのPC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は「キャズム越えを果たしたクライアント仮想化の導入は着実に進展している。スマートデバイスを活用したモバイル仮想化、仮想デスクトップサービスといった潮流もクライアント仮想化市場の底上げに寄与する」とコメントしている。

クライアント仮想化製品の導入状況、2012年/2013年(出典:IDC Japan)

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