ヤマハ、情報活用のダッシュボードで生産実績を見える化導入事例

ヤマハが情報活用ダッシュボードシステム「MotionBoard」を導入し、生産実績情報のリアルタイムの見える化を実現した。

» 2013年09月11日 17時21分 公開
[ITmedia]

 ヤマハは、「生産性」「品質」「非生産時間」の3つの視点による生産実績情報をリアルタイムに見える化するための仕組みとして、ウイングアークが開発する情報活用ダッシュボード「MotionBoard」を採用した。ウイングアークが9月11日に発表した。

 MotionBoardを導入するヤマハのエレクトロニクス生産統括部 豊岡生産部は、TPS(トヨタ生産方式)を採用して継続的に生産現場の直接作業改善活動を推進してきた。この取り組みを加速するために、生産現場で起きていること、改善サイクルのもとになる生産実績情報を適切なタイミングで把握する必要があった。豊岡生産部では生産実績を必要な頻度と工程で“見える化”するためのITツールの選定を自ら行い、構築・仕様変更・運用が可能かという点について比較検証した結果から「MotionBoard」を採用したという。

 豊岡生産部では、「生産能率」「不良率」「非生産時間」という3つの生産指標の統一を図り、入力業務の簡易化と標準化に取り組む。“紙とえんぴつ”から“タブレット”に移行するための「POPシステム(Point Of Production System:生産時点情報管理システム)」を構築し、MotionBoardと組み合わせることで、生産実績の報告を日次ベースで行うことを可能にした。

 またPOPシステムにより、報告のもととなる入力に要する工数を大幅に削減。MotionBoardを利用して報告を行うことにより、報告書を作成する工数をゼロにした。POPシステムとMotionBoardの組み合わせで、「リアルタイムの見える化」を実現し、生産現場自らの手で、業務改善サイクルを早く回すための仕組みを実現している。

 さらに、豊岡生産部では生産現場に損益意識を浸透させた「セル別経営」も目指している。POPシステムで入手した現場の生データから、材料費、労務費、その他の経費など全てをセル単位に金額ベースで示すことで、セルが赤字なのか黒字なのかを把握する。黒字にするためには「生産能率」「不良率」「非生産時間」をどう改善していくのか、といった高度な改善を現場が自律的にできるような仕組み作りを見据えている。

 楽器・音響生産本部 生産企画部 IT推進グループ 主任の宮田智史氏は、「MotionBoardを導入することで『生産性』『品質』『非生産時間』の3つの観点から生産実績情報を日次ベースで参照できるようになった。『職長』がExcelでの月次報告書を作ることに要していた月間約50時間の間接工数がゼロとなった」とコメントしている。

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