広島赤十字・原爆病院、情報受け渡しをセキュアUSBメモリからファイル共有に移行

広島赤十字・原爆病院はトレンドマイクロのファイル共有ソリューションを導入し、安全なファイル管理と情報共有、効率的なサーバ管理を実現した。

» 2014年07月14日 16時26分 公開
[ITmedia]

 トレンドマイクロは7月14日、ファイル共有ソリューションの「Trend Micro SafeSync for Enterprise(以下、SafeSync)」が広島赤十字・原爆病院に導入されたと発表した。

 広島赤十字・原爆病院では従来、電子カルテの導入などで院内システムを診療系と情報系に区別し、2系統のネットワークを運用していた。機密性の高い電子カルテや画像データなどを主に扱う診療系ネットワークはクローズド環境であり、Active Directoryと連携し、権限管理を徹底した運用を行っていたが、事務や医師などが情報収集や外部との連絡に用いる情報系システムについては安全管理の面で課題を抱えていたという。

 情報系システムでの運用は、例えば、病院情報システムで出力したデータを事務系端末や医局の端末へ持ち出す際は、ウイルスチェック機能を備えたセキュリティUSBメモリを利用して受け渡していた。また、各部門の業務ファイルや、医師が作成した資料などは、それぞれの部署が個別に構築したファイルサーバに保管していた。

 情報系システムの課題解決では情報漏えいリスクなどを回避しつつ、利便性の高いファイル共有ソリューションの導入を検討したという。ただ、海外のサーバにデータを置くオンラインストレージサービスの利用は、厚生労働省発行のガイドラインで制限されているため、ファイルサーバを病院内に設置する必要があった。

 その結果からSafeSyncを採用することになった。同病院では冗長化された2台の物理サーバ上でSafeSyncを稼働させ、分散していた業務ファイルの保管場所を一元化した。メールに添付されたファイルは、自動的にストレージに保存され、そのリンク情報だけをメールで送信することにより、安全なファイル管理と情報共有、効率的なサーバ管理が可能になったという。

 SafeSyncは既存のWindowsシステムで設定したActive Directoryと連携できる点も採用の決め手になった。職員の異動や入退職の際も、ADの情報を変更するだけで、データアクセス権限設定などを変更することができる。

 同病院では今後、SafeSyncの利用範囲を広げて各科・部門のファイルサーバを統合し、院内でのUSBメモリの利用も制限する予定。また、SafeSyncのマルチデバイス対応を利用し、業務でのタブレット端末での活用も検討している。

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