新たにクラウド専属営業も 日本マイクロソフトの法人向け事業戦略

日本マイクロソフトの法人ビジネス領域であるエンタープライズビジネス、ゼネラルビジネス、パブリックセクターの3部門の統括責任者が2015年度の戦略などを説明した。

» 2014年09月11日 07時15分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本マイクロソフトは9月10日、記者向けに法人事業に関するラウンドテーブルを開催した。エンタープライズビジネス、ゼネラルビジネス、パブリックセクターそれぞれの部門トップが今年度の重点分野を説明した。

左から、小原琢哉 執行役 専務、高橋明宏 執行役 常務、織田浩義 執行役 常務 左から、小原琢哉 執行役 専務、高橋明宏 執行役 常務、織田浩義 執行役 常務

 エンタープライズビジネス部門は、顧客のビジネスに合ったソリューションを提供するため、金融や製造、通信といった業種ごとに営業部隊を用意する。「日本に根差した独自のインダストリーソリューションを提案することで顧客の生産性向上を図りたい」と、同部門で執行役 専務を務める小原琢哉氏は組織体制の狙いを説明する。これによって顧客と長期的な関係を構築していきたい考えだ。

 加えて、同社が昨年来、グローバル全体で力を入れるクラウドビジネスに歩調を合わせるように、クラウド専属営業部隊および技術営業部隊を新設するほか、グループ企業や関連会社向けの営業部隊を強化する。従来のように製品単体ではなく、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド型のシステムを提供し、トータルプラットフォームとしてビジネスを描いていきたいという。

 ゼネラルビジネス部門は、主にマイクロソフトパートナーネットワーク(MPN)に基づくビジネスとパートナー向け支援施策を展開している。昨年度はサポート終了を迎えたWindows XPの“移行特需”によって同部門のビジネスが急伸した。同部門を統括する執行役 常務の高橋明宏氏によると、今期はさらに売り上げを増やす戦略ではなく、案件当たりの質を高めていくことを目標に据える。その1つがパートナー経由によるクラウド提案の強化だ。クラウドに対するインセンティブを手厚くすることで、より多くの顧客が同社のクラウドサービスである「Microsoft Azure」、「Microsoft Office 365」、「Microsoft Dynamics CRM Online」を導入検討する機会を創出する。

 官公庁や自治体、医療、文教向けのビジネスを担当するパブリックセクター部門でも、今年度はクラウドの推進に注力する。政府・自治体分野では、2020年に向けて新たなクラウドサービスを提供するほか、サイバーセキュリティに関するタスクフォースを発足する。同部門で執行役 常務を務める織田浩義氏は「マイクロソフトは米国でペンタゴン(国防総省)に次いで2番目にサイバーアタックが多い。これに対抗するノウハウや実績が豊富であることから、信頼性の高いクラウドを提供できる」と力を込める。同様に医療や教育の分野でもクラウド基盤の利用促進を図っていく。

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