Beacappは、Beaconによって得た来店者の導線データをグラフィカルに見ることができる。
「行動解析のデータを見ようとすると、今まではCSVでダウンロードする方法くらいしかありませんでした。しかし、これでは店舗のどこにBeaconが置かれていて、どのくらい使われたのか分かりにくいという課題があります。この課題を解決するためにIBM Presence Insightsと連携して、ログをもっと可視化させるヒートマップやゾーンアクティビティマップを搭載したのです」(岡村氏)
ゾーンアクティビティマップとは、場所ごとにどれだけの人数が来ているのかをひと目で分かるようにする機能だ。店舗内に複数のゾーンを決めてBeaconを設置し、各時間帯における来客数を集計する。集計した数値を色の濃淡で分かりやすく表示させることで、ゾーンごとの人気や来店者の興味関心を知ることができ、店舗の問題点をより可視化できるという。
さらに、イベントなどで使う場合はBeaconと連携させたアプリをあらかじめインストールさせ、属性を入力してもらうことで、来客者の属性と組み合わせた分析も可能になる。 「こうして可視化するだけでも、『分かりやすくなった』と喜んでもらえます。店舗以外でも大学の図書館などでも導入されており、どういったジャンルの本が人気があるかといった利用状況の把握にも使っているようです」(ジェナ)
Beacappを活用した店舗は、得られたデータをもとに店舗レイアウトやポップ、商品陳列位置を変更し、購買者数を増やすことに成功しているそうだ。「スタンプラリーなどのリアルイベントや、ショッピングモールなどでの導入も進んでいる」(ジェナ)とのことで、全国から問い合わせが来ているという。Beacon技術は店舗におけるマーケティングだけでなく、観光の分野を中心にさまざまな用途で使われ始めている。今後、Beacappのように分析や可視化のソリューションが増えることでさらに活用が進んでいくと考えられる。
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