また、時間や場所の解放だけにとどまらず、電子化(ペーパーレス化)の促進、フリーアドレス・オフィスの実現も可能にすることから、組織や企業としてはコスト削減の狙いも併せ持った検討になることが多いでしょう。
さらに、現場でのリアルタイムな意思決定や顧客への情報提供は、顧客満足度が高まるといったことから自社の力の強化につながります。これらの仕組みは、こういった多面的な効果を狙えることは忘れてはなりません。
一方で、ワークスタイル変革を推進する上で、すでに利用しているメールやファイル共有・同期などのツールに加えて、業務を円滑に遂行するためのコミュニケーション強化する仕組みを導入することも考えられます。
特に、組織をまたぐ社内コミュニケーションの促進による新たな価値の創造、遠隔地や拠点をまたいだ部門や他の企業との協業を促進、効率的な課題解決のための知識や情報共有などを強化したいと考える組織や企業で導入が増えています。コミュニケーションのためのツールとして、以下の仕組みが代表的です。
これらは、様々なデバイスから利用できるアプリケーションやサービスとして提供されます。場所に関係なく、インターネットにつながっていさえすればコミュニケーションや情報共有を可能にします。
「場所にとらわれない働き方」により、オフィスの位置付けや価値も変わります。業務効率を上げるために最適化されたオフィス環境のデザインしていく考え方もあります。集中作業ルーム、ディスカッション/コミュニケーション促進のための各デスクや共有スペースの設計といったものです。前述したITツールと併せて検討されることも多いはずです。
目的に合ったITシステムと、それに伴うオフィスデザインやレイアウトの設定により、企業や組織にとって最適な業務環境が策定されます。今回はいくつかの代表的な例を挙げて説明しました。ワークスタイル変革を考える上でよく出てくるものですが、これまで説明してきた労務管理、評価制度、情報ポリシー、カルチャーおよびオペレーションを再考し、それに合ったシステムや仕組みを考えていくことが大切です。
(続く)
次回は、ワークスタイル変革を推進する「プロセスと展開」について解説する予定です。
シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 営業推進本部 営業推進マネージャー兼エバンジェリスト。イベントやセミナーなどの活動を通して働き方やワークスタイルの変革を推進しながら、「モバイルワークスペース」ソリューションのエバンジェリスト活動およびパートナービジネスのレディネスを担当する。
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