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» 2018年12月13日 07時00分 公開

スクラムに最適化した「オフィス」で働き方はどう変わったか エウレカ新オフィスで仕事がはかどる理由 (1/2)

スクラム開発の導入で働き方が大きく変わったエウレカが、移転を機に「オフィス」をスクラムに最適化。隅々までスクラムの考え方が反映されたオフィスで、働き方はどう変わったのか。

[高橋睦美,ITmedia]
Photo エウレカ(取材当時)のプリンシパルエンジニア、梶原成親氏

 開発効率が上がり、チームの絆が深まり、仕事に対する当事者意識が芽生える――。こうした効果が見込めることから採用する企業が増えているスクラム開発。そんなスクラム開発の思想をオフィス設計に取り入れ、理想のワークスペース作りに挑んだのが、恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」や、カップル向けのコミュニケーションアプリ「Couples」の提供で知られるエウレカだ。

 スクラムに最適化した「オフィス」とはいったいどのようなものなのか、なぜ、どのようにして作られたのか、どんな効果があったのか――。同社CTO室室長(取材当時)でスクラムマスターとしてアジャイルコーチも務めるプリンシパルエンジニア、梶原成親氏に聞いた。

アジャイルとスクラムで「強く自律的なチームを目指す」

Photo キャプション

 2012年10月から「Pairs」や「Couples」を提供してきたエウレカは、今や日本のみならず韓国や台湾でもサービスを提供しているベンチャー企業。これまで事業は順調に成長してきたという。

 しかし、スクラムの導入前は開発プロセスも請負作業的なところがあり、「『何のための開発なのか』といった目的を明確にしないまま、言われた通りに作業するような状態が続いていました」と梶原氏は振り返る。

 前職のリクルートライフスタイルで、アジャイルコーチとして開発チームの強化に携わるとともに、組織の課題や業務プロセスの改善に取り組んできた同氏は、「チームを作り、チームワークを生かした開発体制を構築することでレバレッジを効かせよう」と提唱。業務変革に乗り出した。

 そのための手段として採用したのが、同氏の得意分野であるアジャイル開発であり、スクラム開発だった。「強く自律的なチームを作り、納得感を持って開発を進めるために、透明性や検査、適応といった理念を一つ一つトレーニングしていきました」(梶原氏)。こうして会社全体がスクラム化することで、スタッフが一丸となって目的に向かう組織へと変わったという。

Photo オフィスの壁にはPairsを通じて知り合ったカップルたちの写真を飾っている

IT部門の改善にも着手、シャドーITを一掃

 開発チームへのスクラム導入とともに梶原氏が着手したのが、情報システム部門としての業務だった。情報システム部門がなく、社員が使いやすいツールを勝手に導入するような、“シャドーITだらけの状態”を整理し、統一した方針に基づくツールを導入。社員情報をGoogleアカウントと連携させるとともに、Slackのbotを活用することで、入社や異動に応じて必要なアカウントを自動で生成する仕組みを整えた。

 この自動生成の仕組みは、承認フローに載せる形ではなかったことから、「セキュリティ面のリスク」を危惧する声も挙がったという。しかし、「承認やチェックも大事ですが、それはアジリティを損なうことでもあります」(梶原氏)という考えから、「誰かが承認するというプロセスの代わりに、Slack上で皆で管理し、監視する方針にしました」と同氏。「皆が見ているからこそ、おかしなことがあればすぐ気付くことができ、それが透明性の利点なのです」と述べている。

 「情報システム部門の顧客は社員全員。この意識を持つことが大切」――というのが梶原氏の方針だ。その目的を達成するために必要な要素をプロジェクト管理ツールの「Jira」で整理し、投票やコメントを受けながら整備を進め、プロダクトと同様、情報システム部門の案件も終わったらリリースノートを作成して管理しているという。

Photo ツールを整理する前のエウレカのシステム構成
Photo 現在のシステム構成
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