日本ヒューレット・パッカードが2021年度の事業戦略を明らかにした。そこから、新たなDXプラットフォーム競争の構図が浮かび上がってきた。
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「2021年は、HPEならではのデジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォームを提供することにより、お客さまのビジネス変革の加速に貢献していきたい」――。こう語ったのは、Hewlett Packard Enterprise(HPE)の日本法人である日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HPE)の代表取締役社長に2020年9月1日付で就任した望月弘一氏だ。日本HPEが12月15日にオンラインで開いた事業戦略についての記者説明会での発言である。
同社の事業戦略について説明を聞くうち、新たなDXプラットフォーム競争の構図が浮かび上がってきた。それは後ほど説明するとして、まずは望月氏の話のポイントを挙げていこう。
HPEの最近における最大のトピックといえば、2019年6月に発表した「2022年までに全てのポートフォリオを『as a Service』として提供可能にする」というビジネスモデルの転換だ(図1)。
今回、日本HPEが明らかにした2021年度(2020年11月〜2021年10月)の事業戦略は、その大方針とともに、社会情勢やテクノロジーの進化などを踏まえたユーザー企業のIT投資動向から、図2に示すように「5G/IoT」「デジタルワークプレイス」「データマネジメント&AI」「ハイブリッドクラウド」の4分野にフォーカスを当て、望月氏の冒頭の発言を事業姿勢の基本方針に定めた。
では、同氏が言う「HPEならではのDXプラットフォーム」とはどのようなものか。その全体像が、図3である。この図の中に、HPEならではの特長が3つ記されている。
1つ目は、最下段の「エッジからクラウドまでの横断的な製品ポートフォリオ」だ。その内容は図に示された通りだ。
2つ目は、右側の縦軸に示された「あらゆる環境を“クラウド”に変革」。HPEの製品だけでなく、パートナー企業の製品もクラウド上で利用できるように支援していくという意味だ。「お客さまのご要望にお応えできる支援組織を設けている」(望月氏)という。
3つ目は、上部にある「HPE GreenLake」。これは「全てをas a Serviceで提供する」ための従量課金モデルの利用料金システムである。望月氏は「他社もこの仕組みを採り入れ始めているが、当社は3年前から本格的に採用しており、充実した内容については追随を許さない」と強調した。
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