次に、オフショア開発実践セミナーの受講者からヒアリングした、オフショア開発成功に向けてすぐに着手したい行動リストを掲載します。
それらは、プロジェクトマネジメントの課題とプロジェクト支援に関する課題に大別されます。
プロジェクトマネジメントの課題では、計画フェイズの進め方の見直し、仕様伝達の工夫、プロジェクト監査・監視の仕組み構築、そしてトラブルシューティングに関するマネジメント項目が挙げられました。
プロジェクト支援に関する課題では、基準やプロセスの整備に関連するマネジメント項目が上位を占めました。
これらは、プロジェクトマネジメント手法の確立と標準化、およびツールの導入、ノウハウの蓄積を目的としています。
続いては、組織全体でオフショア開発を推進していくための基盤整備に関する課題が指摘されました。特に、トップダウンによるオフショア事業全体を統治する機構の必要性が叫ばれています。
そして、組織人事と人材育成に関する課題です。前出の統治機構では、トップダウンによる強力なリーダーシップが求められますが、人にかかわる課題では地道な草の根運動が数多く指摘されています。
最後に、オフショア開発を新規事業創出者の観点から抽出した課題です。ここでは、中国を巻き込んだ一体感のある国際分業体制の構築や、日中協業による相乗効果の発揮について、さらに中長期的な事業支援に関するマネジメント項目です。
幸地 司(こうち つかさ)
琉球大学非常勤講師
オフショア開発フォーラム 代表
アイコーチ有限会社 代表取締役
沖縄生まれ。
九州大学大学院修了。株式会社リコーで画像技術の研究開発に従事、中国系ベンチャー企業のコンサルティング部門マネージャ職を経て、2003年にアイコーチ有限会社を設立。現在はオフショア開発フォーラム代表を兼任する。日本唯一の中国オフショア開発専門コンサルタントとして、ベンダや顧客企業の戦略策定段階から中国プロジェクトに参画。技術力に裏付けられた実践指導もさることながら、言葉や文化の違いを吸収してプロジェクト全体を最適化する調整手腕にも定評あり。日刊メールマガジン「中国ビジネス入門?失敗しない対中交渉?」の執筆を手掛ける傍ら、東京・大阪・名古屋・上海を中心にセミナー活動をこなす。
オフショア開発フォーラム:http://www.1offshoring.com/
アイコーチ有限会社:http://www.ai-coach.com/
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