
勤怠管理は、中小企業にとって業務負荷や人的ミスが発生しやすい一方で、未払い残業や36協定違反など、知らないうちに法令違反につながりかねない重要な業務です。紙のタイムカードやエクセルでの管理に限界を感じながらも、「今のやり方を変える余裕がない」と感じている企業も少なくありません。
そのため「システム化が必要だ」とは分かっていても、数多くある勤怠管理システムの中から自社に合うものをどう選べばよいのか分からない、導入後に現場が使いこなせるのか不安、といった理由で導入に踏み切れない担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、中小企業で起きがちな勤怠管理における課題や問題を整理したうえで、勤怠管理DXに向けた「勤怠管理システム」の機能と導入メリット、注意点、製品の選び方を企業の実務担当者、製品検討を進めたい担当者に向けて分かりやすく解説します。
目次
中小企業の勤怠管理で起きがちな課題
- 紙/Excelの転記・集計で数値ミスが起きやすい
- 修正依頼が増えて手戻りが発生しやすい
- 二重管理でデータ不一致になりやすい
- シフト制/固定制、直行直帰などでルールが複雑化しやすい
多くの中小企業では、日々の勤怠管理が大きな課題となっています。特に紙やエクセルでの管理は、煩雑で手間がかかりやすく、さまざまな問題が生じやすい環境です。ここでは、中小企業でよくある勤怠管理の悩みについて整理します。
アナログ管理で増えやすいミス
紙やエクセルでの勤怠管理は、転記作業による数値ミスが発生しやすくなります。タイムカードの集計も担当者にとって大きな負担になりやすく、修正依頼が増えることで手戻りも多くなりがちです。
また、同じ勤怠データを複数箇所で管理してしまい、二重管理のリスクが発生しやすくなります。締め日に情報がそろわず、月末の処理が遅れることも少なくありません。
勤務形態が混在する中小企業あるある
事務職と現場スタッフで打刻方法が異なるケースや、シフト制と固定時間制が社内に混在していることは、中小企業ではよくある状況です。
また、直行直帰の社員と出社する社員がいる、短時間勤務や時差出勤の従業員が増えている、といった働き方の多様化も見られます。そのため、勤怠ルールが複雑化しやすくなり、管理が難しくなる傾向があります。
まずはExcel管理の作り方や限界を整理したい方は「勤怠管理表をExcelで作る方法|無料テンプレ・関数・日跨ぎ/深夜/残業の計算と注意点」をご覧ください。
参考:勤怠管理表をExcelで作る方法|無料テンプレ・関数・日跨ぎ/深夜/残業の計算と注意点
勤怠管理システムとは
- 勤怠集計や勤務表作成の作業時間を減らせる
- 打刻ミスや集計漏れを防げる
- 有給休暇や残業時間の把握が容易になる
- 法令対応がしやすくなる(36協定、労働時間上限など)
- 給与計算や他システムとの連携が可能
ここからは、勤怠管理システムについて紹介します。システムを活用することで、どのようなことができるのでしょうか。
勤怠管理システムでできること
勤怠管理システムを導入すると、PCやスマートフォンから簡単に出勤・退勤の打刻が可能です。打刻データは自動で集計され、勤務時間や残業時間の計算も自動化されます。また、有給休暇の申請や、各種休暇の申請・承認もオンラインで完結できます。
勤怠データはCSVで出力でき、給与計算ソフトとの連携もスムーズです。さらに、勤怠状況をグラフや一覧で確認できるため、社員の働き方の把握も容易になります。アラートやリマインド通知によって、申請や承認漏れも防げる仕組みになっています。
「中小企業向け」の目安
中小企業向けの勤怠管理システムでは、従業員数が5名から100名程度まで対応しているものが一般的です。
複数の店舗や現場など、さまざまな拠点にも対応できるかどうか、複雑なシフト制や異なる就業規則に対応可能かといった点も大切なポイントです。また、管理者が他の業務と兼務していても運用しやすい簡単な操作性や、費用面で導入しやすい料金プランがあるかも重要です。
従業員50名までの選び方・低価格製品の方向性を補足するなら「小規模企業向け勤怠管理システムおすすめ7選|選び方や導入メリットを徹底解説 “月額無料”の製品もあり」をご覧ください。
参考:小規模企業向け勤怠管理システムおすすめ7選|選び方や導入メリットを徹底解説 “月額無料”の製品もあり
中小企業が勤怠管理システムを導入するメリットと注意点
勤怠管理システムの導入には、作業負担を減らすだけでなく、法令順守や労働環境の改善につながる多くのメリットがあります。一方で、注意すべきポイントもいくつか存在します。
中小企業が勤怠管理システムを導入する主なメリット
勤怠管理システムの導入により、中小企業は業務効率化やコスト削減など、さまざまな恩恵を受けることができます。ここでは、特に中小企業にとって重要なメリットをご紹介します。
勤怠集計や勤務表作成の作業時間を減らせる
勤怠管理システムを使うと、自動集計機能により手作業の計算や転記が不要になります。これにより、集計ミスや集計忘れのリスクが大きく減り、月末の締め作業も短時間で終わるようになります。
“基本機能の整理+導入メリット”を補強するなら「勤怠管理システムの基本機能と導入メリット|従業員と管理者の観点、製品の選び方を分かりやすく解説」をご覧ください。
参考:勤怠管理システムの基本機能と導入メリット|従業員と管理者の観点、製品の選び方を分かりやすく解説
打刻ミスや集計漏れを防げる
出退勤の打刻データがリアルタイムで記録されるため、打刻忘れや重複打刻もアラートで通知されるシステムが多いです。人的ミスの発生が少なくなり、データの正確性が保たれます。
有給休暇や残業時間の把握が容易になる
有給休暇の取得状況や残日数が自動で集計される仕組みがあり、残業時間や深夜勤務もシステム上で一元管理できます。社員ごとの労働状況がすぐに確認できるので、管理者の負担が軽減されます。
法令対応がしやすくなる(36協定、労働時間上限など)
法定労働時間や36協定の上限を超えそうな場合にアラートを出してくれるシステムも多いです。必要な帳票や記録も自動作成されるので、法改正があってもアップデートで対応できるサービスが増えています。
給与計算や他システムとの連携が可能
勤怠データを給与計算や会計ソフトに自動で連携できるため、手作業によるデータ転記が不要です。これにより作業負担やミスが減り、勤怠情報をより幅広く活用できるようになります。
中小企業が勤怠管理システムを導入する際の主な注意点
勤怠管理システムの導入には多くのメリットがある一方で、スムーズな運用のためには事前に押さえておくべきポイントがあります。導入を成功させるための注意点を確認しましょう。
システムの初期設定に手間がかかる場合がある
システム導入時は、自社の勤務形態や就業規則に合わせた設定作業が必要です。シフトや休暇ルール、従業員ごとの情報入力など、最初の手間を想定しておきましょう。
導入時につまずきやすいポイント(初期設定・運用定着)を深掘りするなら「勤怠管理システムのデメリットと導入時の課題・心配ポイントを解説|失敗を避ける選び方と対策」をご覧ください。
参考:勤怠管理システムのデメリットと導入時の課題・心配ポイントを解説|失敗を避ける選び方と対策
現場ごとの運用ルールを事前に整理する必要がある
直行直帰や複数拠点勤務など、実際の働き方に合った運用ルールの整備が大切です。社内でルールを統一しないと、トラブルや誤集計の原因になる場合があります。
端末費用やオプション料金など追加費用が発生する場合がある
ICカードや生体認証などの専用端末が必要な場合、購入費がかかることがあります。また、一部の機能は有料オプションとなる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
利用人数や機能によって月額費用が変動する場合がある
基本料金だけでなく、従業員数や追加機能によって月額費用が変動する仕組みのシステムが多いです。将来的な人員増やシステム拡張時のコストもあわせて見積もることが必要です。
サポート体制や操作性を確認しておく必要がある
システム導入後に困ったときのサポート窓口やマニュアルの有無も事前に確認しましょう。操作が難しいシステムは現場に定着しにくいので、デモや無料トライアルを活用して使いやすさをチェックしておくことがポイントです。
中小企業におすすめの勤怠管理システム3選
(製品名 abcあいうえお順/2026年1月時点)
kincone
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 200円 / 1ユーザー ※最低5名から |
| 利用可能な機能 | ・打刻(アプリ、ICカード、チャットなど) ・交通費自動登録 ・訪問先企業の自動登録 ・従業員の労働条件設定 ・打刻忘れ、承認待ちなどのアラート ・個人 / 部署単位での出退勤状況確認 ・自動集計 ・休暇タイプの設定・管理 |
| 無料トライアルの有無 | あり(最大2カ月) |
| サービスの特徴 | ・1ユーザーあたりの費用が低コスト ・打刻機能がSlack、Chatwork、LINE WORKSなどチャットツールと連携 |
| ポイント | kinconeは多彩な連携機能が魅力の勤怠管理システム。Slack、Chatwork、LINE WORKSなどメジャーなチャットツールと連携した打刻、Googleカレンダー、Outlook、Garoon(サイボウズ)と連携した交通費精算など、あらゆる手続きにかかる人的コストを削減します。ワークフロー構築もkintone(サイボウズ)やコラボフロー(コラボスタイル)と連携。給与システムや会計システムも外部ツールと連携し、業務や人事管理のスムーズな進行に貢献します。 |
| ベンダーのWebサイト | https://www.kincone.com/ |
ジョブカン勤怠管理
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 200~500円 / 1ユーザー |
| 利用可能な機能 | ・打刻 ※PC、モバイル、ICカード、GPS、LINE、Slackなど) ・出勤管理 ・シフト管理 ・休暇申請管理 ・工数管理・集計 ・超過労働対策(36協定対応アラート) ・外国語表示 ※英語、韓国語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、中国語(簡・繁) |
| 無料トライアルの有無 | あり(30日間全機能利用可能) ※機能制限付きの無料版あり |
| サービスの特徴 | ・出金管理・シフト管理・休暇申請管理・工数管理の4機能を自由に組み合わせて利用可能
・打刻が豊富で出先からでも安心 |
| ポイント | ジョブカン勤怠管理は、多彩な打刻方法や柔軟なシフト管理に対応する勤怠管理システムです。あらゆる従業員の勤務形態や出退勤状況に応じた管理が可能であるため、一般的なオフィスワークから飲食業、製造業や医療業界など、さまざまな業態で利用できます。
必要な費用は1ユーザーあたりの月額料金のみ。利用機能の数に応じて料金が決まりますので、必要な機能だけを選べばランニングコストを抑えた勤怠管理が可能です。 |
| ベンダーのWebサイト | https://jobcan.ne.jp/ |
マネーフォワード クラウド勤怠
| 初期費用 | 0円 |
| 月額費用 | 小規模事業者向け:2980円 / 月 中小企業向け:4980円 |
| 利用可能な機能 | ・勤怠管理 ・ワークフロー ・異動履歴管理 ・休暇管理 ・アラート機能 ・打刻丸め機能 ・就業形態対応 ・各種スマホ操作 |
| 無料トライアルの有無 | あり(1カ月) |
| サービスの特徴 | ・マネーフォワード クラウドの各サービスと連携可能 ・法令改正や税率変更等へ無料アップデートで対応 |
| ポイント | Money Forward クラウド勤怠は、出退勤から各種申請、異動記録まで勤怠に関するさまざまな管理機能を実装。社員の勤務状態を記録・確認するワークフロー管理を活用すれば、申請や承認がスムーズに進められます。Money Forward クラウドの各種サービスと連携すれば、社内業務システムの隅々まで連携が可能となり、各部署とスムーズでシームレスな管理業務が実現できます。 |
| ベンダーのWebサイト | https://biz.moneyforward.com/attendance/ |
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