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JCCが提案する新しいTVの視聴法「リアルクロックナビゲーション」って?

» 2004年02月24日 23時38分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日本電算機(JCC)は2月24日、ホームサーバ「Big Channel 2」の発表と併せ、「リアルクロックナビゲーション」(RCN)と呼ばれるTV視聴技術と、それを利用したオンラインサービス「ブロードメディアグローバルタワー」(略称:グローバルタワー)の概要を説明した。これまでは同社製ホームサーバに限られていたTV向けのオンラインサービスを他社にも供与し、TVキャプチャーカードなどパソコンの分野でも活用できるようにする。

 リアルクロックナビゲーションは、これまで「マトリックスナビ」と呼ばれていた機能の発展形(記事参照)。端的にいえば、録画番組に独自のインデキシングを行い、その情報を共有するというものだ。番組再生中にリモコンでIn点/Out点を指定すると、ホームサーバがタイムコードや番組情報をクリッカブルテキストの形で書き出す。これを他の利用者にメールやWebで紹介し、同社のホームサーバ利用者同士で「感動のシーンを共有できる」という仕組みだ。

 「動画ファイル自体をやり取りする訳ではないため、著作権上もまったく問題はない。BBSやBlog、メールなど用途は広いだろう」(同社の石井孝利社長)。

photo 日本電算機の石井孝利社長
photo IN点、OUT点の指定はリモコンで行う

 もちろん、利用者同士だけではなく、オンラインサービスとしても提供可能だ。実際、iBOXサーバの利用者サイトでは既に「大相撲中継」「トリビアの泉」「伊東家の食卓」といった人気番組のインデックス情報を公開しており、ユーザーが該当する番組を録画しておけば、見たい部分をすぐに再生できるという。

photo 「トリビアの泉」。“ネタばらし”せずに見たいトピックスだけを再生できるよう、各トリビアの冒頭部分だけを紹介している。大相撲中継の場合は、取り組みごとにインデックス化する

 ただし、マトリックスナビの場合は、同社製ホームサーバを所有していることが前提のため、利用者の範囲が限られていた。そこで同社は、RCNと独自のEPG「Bepg」を核とするオンラインサービスを、「ブロードメディアグローバルタワー」という名称で体系化。PC向けのTVキャプチャーカードなどにもサービスを提供し、用途を拡大する方針だ。

 「RCNをJCC製ホームサーバ全モデルに展開するほか、他社にもライセンス供与の形で利用範囲を広げる。まずはアイ・オー・データ機器のTVキャプチャーカードに採用される予定だ」(石井氏)。

 発売時期は未定だが、石井社長は「アテネオリンピックを(ユーザーに)楽しんでもらいたい」と話しており、夏までには対応製品が登場する可能性が高い。

 ブロードメディアグローバルタワーのサービスは下記の通り。

  • Bepg

ブロードバンド対応の電子番組表。番組情報からのキーワード検索に対応した「まるごと予約」、野球中継の延長があっても録画予約に影響を与えない「延長ぴっちり録画予約」といった機能も提供

  • 超多君のマトリックスTV

ニュースやワイドショウで報道された出来事を報道時間の長さでランキング。興味のあるトピックスをクリックするだけで視聴可能になるほか、アーカイブの自動作成やインターネット検索もサポート(関連記事

  • リアルタイムクロックナビゲーション

ホームページやメールでリンク部分をクリックすると録画ファイルから指定した映像を再生する。スポーツサイトの“見所紹介”やドラマの批評サイトに利用できる

  • スターナビゲーション

指定したタレントの出演している場面を検索、映像を再生する機能

  • 過去の番組キーワード・DB

すべての地上波番組を対象として、番組名や内容、出演者などの情報をデータベース化。見たいシーンを検索できる

  • ナレッジシーンサーチ

マトリックスTV、RCNで扱ったキーワードから過去一週間までの番組を検索

  • 過去番組表

野球中継や国会中継の延長などによる放送時間の変更を反映した番組表。Big Channelの場合、視聴ボタンを押すと動画再生が始まる(有料サービス:月額2000円)

  • CM検索

お気に入りのCMを企業名や出演者、製品名などで検索、再生する機能。別途料金が発生する(個別相談)

  • 企業情報

ニュース番組で報道された内容を対象として、企業名やキーワードからトピックスを検索、再生する機能。別途料金が発生する(個別相談)

photo Bepgで提供される各種オンラインサービス

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