このコピーワンスのタイトルをほかの機器へムーブさせるには、リモコンの「メニュー切換」ボタンを押して、「プログラム」画面を呼び出す。あらかじめ選択しておく設定に応じて、この画面は「プログラム再生」「プログラム保存」「プログラム移動」と変わる。このうちの「プログラム移動」モードでムーブを実行可能だ。ムーブしたいタイトルを選び、「マーク」してから「決定」を押せばムーブが実行される。複数タイトルのマークも可能で、マークした順に番号がつけられ、順次ムーブが行われる。
ここではD-VHSではなく、チューナーにRec-POT MとRec-POT Sを接続し、番組をムーブしてみたが、当然ながら無事に実行され、Rec-POT Sへタイトルが移動するとともに、Rec-POT Mからは消去された。ムーブにはその番組の録画時間が丸々かかる、つまり、30分番組のムーブ処理には30分が必要だ。そのあいだ、読み出し元の機器、書き出し先の機器、さらにはチューナーも何も操作できなくなってしまうので、ムーブを行うにあたっては、多少の注意というか計画性(?)が必要だ。
今回触ったのはあくまで試用機で、細かい部分で不明なところもあるが、もともと多機能を売りにするタイプの製品ではないので、ムーブ機能がついた以外は基本的にはRec-POT Sと同じといっていいのだろう(100倍速サーチへの対応など新しい点も若干ある)。もちろん、コピーワンス信号全面導入が始まった現在、“保存”を要するユーザーにとってムーブ対応だけでも大きな進化にほかならない。ただ、製品の構成上、DVD-RAM/RWレコーダーへのムーブというのは当然ながら不可能である。また、アイ・オー・データ機器によれば、Blu-rayディスクレコーダーではi.LINK経由でも動作しないという。
いずれにしても、なぜか家電ではなく、PC周辺機器というイメージを持ってしまう製品だが、実際にはデジタルハイビジョンを楽しむには必須の“AV機器”だと個人的には思っている。新たにムーブ対応を果たしたことで、筆者のように“保存をあきらめた”ユーザーだけではなく、誰もが安心して導入できるようになったに違いない。
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