“PCやデジタル家電の新たな楽しみ方を提案する”、ノバックの新ブランド「ViVaEleca」。要は、PCと家電の境界線に位置する、あるいは接点となりうる製品を中心に展開していくということだろうか。その第一弾製品として発売されたのが、DivX対応DVD/HDカセットプレーヤー「MPEG HDGate」と、ポータブルDVDプレーヤー「DVD Porter」だ(製品発表は8月9日の記事を参照)。
ここでは、一般的な3.5インチHDDを専用のカートリッジに収め、着脱可能なHDカセットとして使う「MPEG HDGate」を取り上げる。
この製品が属するジャンルは、いわゆる“マルチメディアプレーヤー”だ。DVD-Videoディスクや音楽CDを再生可能なほか、DVD-R/-RW、DVD+R/+RW、DVD-ROM、CD-R/RW、CD-ROM、および、HDカセットに記録された、動画/静止画/音楽ファイルをテレビやオーディオ機器へ出力できる。対応ファイル形式は、動画がMPEG1/MPEG2/DivX/MPEG4、静止画がJPEG、音声がMP3など。残念ながら、WMVには非対応だ。
現在、こうしたプレーヤーでは、ネットワークに対応しているケースが多い。アイ・オー・データ機器の「AVeL LinkPlayer」、バッファローの「LinkTheater」などである。書斎など別の部屋にPCがあり、リビングのテレビやステレオで、PCに保存ずみの動画や音楽を楽しみたいという用途に応えるわけだが、実際にネットワークが張り巡らされているかというと、一般の家庭ではなかなかそうもいかない。もちろん、無線LANを利用すれば解決はするが、動画再生では速度に不安のある11Mbps(IEEE802.11b)しか設置していない人もいるだろう。
そんなわけで、AVeL LinkPlayerやLinkTheaterの新機種ではUSBストレージの接続に対応した。必要なときだけ、PCの外付けHDDをリビングへ持っていけばいいというわけだ。考え方としては、「MPEG HDGate」はこの方向性に絞り込み、ネットワーク経由での再生ではなく、HDカセットという“記録メディア”の採用に至ったのだろう。
HDカセットは「MPEG HDGate」へ挿入できるだけでなく、取り外した状態ではUSBケーブルやACアダプタを接続して、PCの外付けHDDとして利用可。本体に録画機能がない代わりに、PC側で“カセットに録画”(つまり、メディアファイルをコピー)するわけだ。似たコンセプトの製品としては、カノープスの「MultiRHDD」などが挙げられる(2.5インチHDDを採用した点が異なるが)。
「MPEG HDGate」をテレビに接続するには、S端子、コンポジット端子、またはコンポーネント端子を利用する。ただ、現段階ではコンポーネントでもプログレッシブ出力はできず、DVDビデオファイル再生、ファイル再生のいずれにおいても、525i(480i)表示となってしまう。もともとはプログレッシブ出力可能で、何らかの不具合が原因で、あえて出力できないようにしているようだ。ファームウェアのアップデートで対応とのことだが、製品出荷している状況下で、これはかなり痛い。
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