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自然なシアター重低音を3万円台で――オンキヨー「BASE-V10X」レビュー:5.1chサラウンドシステム特集(3/3 ページ)

» 2004年12月08日 00時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 一方、ドルビーデジタル/DTS/AACのデジタルサラウンド信号に関しては、ダイレクト再生か、ステレオへのダウンミックスのみとなる。また、バーチャルスピーカーや、ヘッドホンでの疑似サラウンド機能は搭載していない。前者はともかく、後者は深夜などに使いたいという人もいるだろうから、やや残念に思われるかもしれない。

 再生される音は、これまで紹介した製品の中で最もよかったデノン「DHT-M330」と同レベルか、それ以上と感じた。特に低音が自然であり、なおかつ、存在感をしっかりと持っている点がよい。これは普段、同社のスーパーウーファー「SL-10」を愛用しているせいもあり、単に好みに合ったかもしれないが(ただし、製品の流れとしてはまったくつながりはない)。

 また、1つひとつの音がより明瞭に聞き分けられるという印象も受けた。ただ、強いて難点を探すと、若干音が軽めというか、中音域の密度が少ない気はする。また、距離を正しく測定しても、標準の設定ではサラウンドの音量がやや大きいのではなかろうか(設置環境にもよるので、いずれにせよ、自分の耳で調整すべきではあるが)。

 発売時期が今年3月と少し前のせいか、機能面ではやや劣る感はあるものの、こうした製品で重要な柱となるといえる再生音に関しては、今回の「BASE-V10X」はかなり高いレベルを有している。また、DVDオーディオ/スーパーオーディオCDプレーヤーとの組み合わせを考えている人にも最適だ。

 ただ、機能面は基本的に同じだが、2ウェイのサテライトスピーカー、3ウェイのセンタースピーカー、および、ワンランク上のサブウーファーを採用した姉妹製品「BASE-V20X」(10月発売)もリリースされた。さらに上の音質が期待されるうえ、実売価格は6万円程度。今回紹介した製品の中で「BASE-V10X」を選択するのは、音質重視のユーザーだろうから、購入する際には「BASE-V20X」も含めて検討すべきかもしれない。

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