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ハイビジョン撮影の敷居をさらに押し下げ――ソニー「HDR-HC3」春のビデオカメラ特集(3/3 ページ)

» 2006年03月13日 10時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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CMOS搭載はHC1から継続、ただしHC3ではクリアビッド採用

 この「HDR-HC3」では、イメージセンサーにクリアビッドCMOSを採用している。そのため、以前レビューした「DCR-DVD505」と同様に、なめらかスロー録画などの撮影機能も搭載済みだ。

photo 動画撮影時の静止画撮影は、クリアビッドCMOSを生かしたデュアル撮影へと変更。バッファを利用するので、1回の動画撮影につき3枚までとなる。画面上に撮影済み枚数も表示される

 静止画撮影では、最大画像サイズは4M(2304×1728)、ワイド時で3M(2304×1296)と「DCR-DVD505」と同じで、撮影した映像の傾向についてもほぼ同様となる。動画でも色合いは似通っているが、ただ、ややボケ気味のつくりはHDVの映像にはややそぐわないかもしれない。また、「HDR-HC1」と比較すると、たしかに色は濃厚なのだが、場面によってはかえってそれが“重さ”を感じさせるケースも。全体には「HDR-HC1」のほうが映像に若干キレがあり、個人的には好みだ。

 とはいえ、それはほんの少しの差であり、本体サイズ面での魅力を損ねてしまうようなものではまったくない。また、子供の顔を撮影したりと、用途によっては「HDR-HC3」の映像のほうを好む人も多いに違いない。

 また、テープへの動画撮影中にフォトボタンを押すと、「HDR-HC1」のように1.2M(1440×810)をカードへ記録するのではなく、2.3M(2016×1134)での静止画撮影を行う。これは「DCR-DVD505」と同じく、撮影した画像をバッファにためておき、あとからメモリースティックへ転送するものだ。そのため、1回の動画撮影中で静止画撮影は最大3枚までとなる。

 動画撮影中の静止画撮影は、この2.3M解像度固定(DVモードでは1.7M)のみで、HC1と同じように静止画を無制限に撮影するモードなどは用意されていないが、1.2Mの画像であれば、撮影ずみのテープから切り出せるので、特に問題はないだろう。

photo DVD作成機能は、「Click to DVD」がインストールされたVAIOとの連携により、ビデオ取り込みからDVDへの書き込みまでを自動的に行うもの

 まさしく“手のひらサイズ”でHDV撮影を可能とした「HDR-HC3」は、手軽に美しい映像で家族の記録を残したいという要望に存分に応える製品といえる。残る問題は価格だが、「HDR-HC1」の登場時の実勢価格と比較して2万円ほど低く抑えられており、すでに12万円台で販売しているショップも多いようだ(3月13日現在、アマゾンではシルバーが14万6090円なのに、なぜかブラックのみ12万9480円……。販売台数の違いからか?)。すでに“待ち”の要素はほとんどない、といえるのではなかろうか。

ビデオ撮影のサンプル画像

photophotophoto 撮影ずみの動画からフォトボタンで切り出した静止画(1440×810)。パンを行った場合などには、なぜか映像の動きにややもたつきを感じることもあり、また、細かく見ていくと、のっぺりした印象もなくはない
photophotophoto ただ、それでも依然として、HDV方式の恩恵により、画面内の情報量が多いことは間違いない。本体のサイズを考えれば、描写力は十分に高いといえるだろう

静止画撮影のサンプル画像

photophotophoto 「撮る−メモリー」モードでの静止画撮影は、サイズを4M(2304×1728)/ワイド3M(2304×1296)/1.9M(1600×1200)/VGA(640×480)から、画質をファイン/スタンダードから選べる。ここでは2304×1296・ファインで撮影した。ファイルサイズは1.2Mバイト前後となる
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