この「HDR-HC3」では、イメージセンサーにクリアビッドCMOSを採用している。そのため、以前レビューした「DCR-DVD505」と同様に、なめらかスロー録画などの撮影機能も搭載済みだ。
静止画撮影では、最大画像サイズは4M(2304×1728)、ワイド時で3M(2304×1296)と「DCR-DVD505」と同じで、撮影した映像の傾向についてもほぼ同様となる。動画でも色合いは似通っているが、ただ、ややボケ気味のつくりはHDVの映像にはややそぐわないかもしれない。また、「HDR-HC1」と比較すると、たしかに色は濃厚なのだが、場面によってはかえってそれが“重さ”を感じさせるケースも。全体には「HDR-HC1」のほうが映像に若干キレがあり、個人的には好みだ。
とはいえ、それはほんの少しの差であり、本体サイズ面での魅力を損ねてしまうようなものではまったくない。また、子供の顔を撮影したりと、用途によっては「HDR-HC3」の映像のほうを好む人も多いに違いない。
また、テープへの動画撮影中にフォトボタンを押すと、「HDR-HC1」のように1.2M(1440×810)をカードへ記録するのではなく、2.3M(2016×1134)での静止画撮影を行う。これは「DCR-DVD505」と同じく、撮影した画像をバッファにためておき、あとからメモリースティックへ転送するものだ。そのため、1回の動画撮影中で静止画撮影は最大3枚までとなる。
動画撮影中の静止画撮影は、この2.3M解像度固定(DVモードでは1.7M)のみで、HC1と同じように静止画を無制限に撮影するモードなどは用意されていないが、1.2Mの画像であれば、撮影ずみのテープから切り出せるので、特に問題はないだろう。
まさしく“手のひらサイズ”でHDV撮影を可能とした「HDR-HC3」は、手軽に美しい映像で家族の記録を残したいという要望に存分に応える製品といえる。残る問題は価格だが、「HDR-HC1」の登場時の実勢価格と比較して2万円ほど低く抑えられており、すでに12万円台で販売しているショップも多いようだ(3月13日現在、アマゾンではシルバーが14万6090円なのに、なぜかブラックのみ12万9480円……。販売台数の違いからか?)。すでに“待ち”の要素はほとんどない、といえるのではなかろうか。
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