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実は中身の濃いモデルチェンジ――松下「DMR-EX350」レビュー:「ビエラリンク」対応機器を試す(前編)(3/3 ページ)

» 2006年04月07日 14時23分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 キーワード設定やジャンル指定による自動録画機能は持たないが、録画予約は毎週予約などもワンタッチで行えるようになっており、地上波アナログ放送でもスポーツ中継の延長への対応や、連ドラの放送枠拡大などにも対応など基本はしっかりと抑えている。番組表表示も3/5/7/9列表示とテレビの解像度に合わせた形での表示が可能になっており、そつなく必要な機能をおさえている。

photo 電子番組表は全ての放送波で同じラテ欄表示のレイアウト
photo 3/5/7/9チャンネル表示の4段階に切換可能
photo 再生ナビ(録画番組一覧)は、リスト表示で1画面9番組表示。フォルダ分け機能などは持たないシンプルな物で、ビデオDR(DRモード)とビデオ(MPEG2録画)で別一覧になっている点は旧モデルと同じ。ビデオではサムネイル一覧も可能だ。フォルダ機能がない、番組毎レジュームがない点はヘビーに録画するユーザーにはちょっと辛い部分か

 録画、再生といった部分で残念なのは、旧モデル同様に音声付早見再生やCM飛ばし見機能(本編がモノラル、2カ国語放送の場合のみ)がDRモードで録画した番組では利用できない点だ。また、DVD-R DLメディアはデジタルムーブにも対応したが、録画時のFRモードが非対応になっている点だろうか。

 もちろん、TS録画した番組を「ぴったりダビング」してもダビング後の画質は同じだろうが、予約録画と並行できない等倍ダビングはできるだけ避けたい、といった場合には、DVD-R DLメディアにぴったり収まるように録画するという使い方もありだろう。もともと細かい録画モードの設定ができないだけに、このあたりは改善を望みたい。録画モードをできるだけ複雑にしたくないというポリシーの製品であることはわかっているのだが……。

幅広い層に対応すべく強化されたダビング機能

 ダビング機能は、旧モデルと比較しても大きく機能強化された部分だ。機能強化といってもより複雑なダビングが可能になった、というわけではなく、自動で高速ダビングとぴったりダビングを使い分ける「おまかせダビング」機能がダビングの基本となり、ダビング時にファイナライズまで実行することが可能になるなど、より幅広い層の利用を意識した機能が追加された。

 新しい「おまかせダビング」では、再生ナビと同じレイアウトの録画番組一覧から1つ、もしくは複数の番組を選択するだけでDVDメディアへのダビングが可能。高速ダビングが可能な場合は高速ダビングで、そうでない場合にはぴったりダビング(FRモード)でダビングが実行される。従来の手順でもさほど難しい操作が必要なわけではなかったが、まっさきに録画番組一覧が表示されるので操作に迷わずにすむ。冒頭で触れたように、トップメニューで「ダビングする」を選択すると「おまかせダビング」が実行されるようになっている。

photo おまかせダビングでは録画番組一覧から番組を選択するだけでHDDからDVDへのダビングが可能。一時停止ボタンを押せば複数番組の選択もできる
photo 高速ダビングでは、メディアに収まらない場合などにこの画面が表示され、処理を選択可能。ユーザーが気が付かない内にダビングモードが切り替わるわけではない
photo このようにメディア1枚収まる場合、おまかせダビングでも高速ダビングが行われる

 従来からのダビング機能は「詳細ダビング」として利用可能で、こちらでは画質を任意に設定したり、メディアの空き容量を確認しながらといった従来通りのUIでダビングが行える。またダビング時にファイナライズまで実行可能となった点も改善点の1つだ。

 ただし、高速ダビング+ファイナライズの場合、ファイナライズ中以外でも予約録画の並列実行はできないようだ。わかりやすさ重視なのは理解できるのだが、このへんはパイオニア製品のように予約録画と重なった場合にはファイナライズだけキャンセルできる、といった仕様の方が好ましいのではないだろうか。ダビング終了時にメッセージを表示すれば十分だと思う。

photo 従来通りのダビング機能は「詳細ダビング」として健在で、2層目のメニューから選択できる
photo 「詳細ダビング」ではダビング方向や画質モードなどを自由に選択可能。ダビングされる順番などもこちらの方が操作しながら把握しやすい
photo ダビングの開始前にファイナライズを実行するかどうかも選択可能になった。高速ダビングであっても予約録画を並行して実行できないのは、「う〜ん」という感じだが

松下らしい進化を遂げた第2世代デジタル放送対応DIGA

 本機のスペックだけを見ると、旧モデルに相当する「DMR-EX300」から大きな変更はない。目立つのはやはり「ビエラリンク」対応くらいで、外観もほとんど変化がないなどマイナーチェンジにしか思えないだろう。

 もちろんスペックだけ見れば実質マイナーチェンジと見ることもできる。しかし、リモコンが改善され、UIには相応に手が入れられているし、ダビング可能なDVDメディアの拡大、「おまかせダビング」の追加など、使い勝手という点では大幅に進化した。音声ガイドを大幅に拡大するなど、マニュアルレスでできるだけ多くの人に使えるようされた配慮も“DIGAならでは”といえる部分だ。それゆえにまどろっこしさを感じる部分もある訳だが、デジタル放送のハイビジョン録画を求めるのは、もはやマニアだけではない。

 後編では、ダビング品質や「ビエラリンク」の使い勝手などに言及していく予定だ。

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