RD-XD91やRD-X6のレビュー時にはアップデートで対応となっていたDLNAサーバ機能はRD-XD92では問題なく利用できた。今回は、DLNA対応のDMAであるアイ・オー・データ機器の「AVeL LinkPlayer」(AVLP2-DVDG)からも自動認識でき、アナログ地上波放送を録画した番組が再生可能だった。
ただし、この組み合わせでは本来再生できるはずの番組(地上波アナログ放送を録画)が全てはリストアップされないといった問題もあった。本来は同社のDLNAクライアント機能付きテレビなどと組み合わせる機能なので動作がおかしいとまでは言えないが、ちょっと気になった部分だ。DLNA対応のDMAを所持している人は決して少なくはないと思うので、アイ・オー・データ機器やバッファローといったメジャーなPCペリフェラルベンダーの製品に関しては動作検証行ってほしいと思う。また、デジタル放送中心の録画機だけに、DTCP-IPへの対応も期待したい。
本製品の魅力を一口でいうと、やはり2系統搭載されたデジタルチューナーとデジタル放送の2番組同時録画機能だ。トレンドになりつつある機能だが、本製品の場合、これに高度な編集機能やダビング機能がくわわる。デジタル放送を録画して見るだけでなく、不要部分をちゃんとカットしてDVDへ残したい、といった人に向いた製品だろう。またi.Link接続での無劣化ダビング(ムーブ)もサポートしているため、年内には姿を現すであろうHD-DVDレコーダーへの“繋ぎ”という意味でも価値のある製品だ。
また、地上波アナログ放送は2番組同時録画こそできないが、録画予約から録画番組の管理までデジタル放送とシームレスであり、使い勝手に差異がない。たとえばデジタルBS/CSのアンテナは設置済みだが、地上デジタル放送の開始はこれから、といった人が、地上デジタル放送の録画を見越して購入するにも悪くない。放送波に関係なくシームレスな管理、使い勝手のRDシリーズならではといえる部分だ。
気になったのは、やはりデジタル放送の2番組同時録画――正確にいえば「TS2」の録画機能がどうにも“後付け”的な匂いを感じる点だ。よもや東芝がデジタル放送の2番組同時録画を前提とせずにソフトウェアである「RDエンジンHD」を開発したとは思えないが、2番組同時録画中に事実上何もできない点はやはり気になる。またEPGが全ての放送波を統合していることが災いしてか、EPGをチャンネル操作に使えない。つまりテレビチューナーとしての使い勝手はいまひとつという点は、最近の製品の中では見劣りする部分になってしまう。こうした点に関しては、今後の改善を望みたい。
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