一方、Windows Media ConnectやUSBへの対応も利便性は高い。USBストレージからの再生は、ディレクトリ構成を掘り下げ、ファイル名を選んで再生させる必要がある。また、1つのディレクトリに収められている曲数が多い場合、表示までにやや時間がかかる場合がある。ファイル名から曲が明らかなように、名前の振り方も考えておく必要があるだろう。
しかしWindows Media Connectでパソコン中のコンテンツを探す場合には、曲の中に含まれているタグ情報を用い、ジャンル、アーティスト名などによる分類が行われる。分類はパソコン側で行われてから情報が送られるため、曲数が多くてもイライラさせられるようなことはない。ポータブルのUSBストレージに曲を入れておき、それをPCや本機に接続しながら曲を楽しんだり、あるいは普段、書斎で使っているパソコンと同じ音楽をリビングでも……といった使い方をしたいユーザーには利便性の高い機能といえる。
ただし、残念なことに日本語の表示には対応していない。このため日本語でファイル名を付けていたり、あるいは曲のタグデータに日本語が使われている場合は、正常に曲の判別を行えない。また音楽配信サービスなどで購入した、著作権管理の行われている曲データの再生には対応していない。これはiPod接続機能にも共通した問題点だ。
CDからのリッピング時、曲名データベースにアルファベットのみのサーバを用いることで問題を回避することも可能だが、その場合はWindows Media Playerではなく、何らかの別のリッピングツールを使う必要がある。Widnows Media Playerの場合、日本語環境で利用する場合は必ず日本語の曲名データベースを用いるからだ。洋楽のみならば問題はないが、邦楽の場合には曲名やアーティスト名が見えなくなる。また洋楽でも日本市場向けに別にプレスしているCDでは、曲名に日本語の文字コードが使われていることが多い。
AVアンプとしての基礎はしっかりしているだけに、この点だけがやや気になった。しかし、日本語表示の問題を除けば評価は上々。「AVアンプの活躍するフィールドを増やす」という意味において、非常に良い方向での進化を遂げていると思う。ネットワーク上のコンテンツを再生する際の遅延時間も少ない。まるでAVアンプにジュークボックスが繋がっているような感覚で楽しめるだろう。
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