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“カードなハイビジョン”、松下がAVCHD準拠のムービーカメラ2機種を発表(2/2 ページ)

» 2006年11月08日 19時48分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 レンズは、光学12倍ズームの「ライカディコマーレンズ」。EAレンズ(超高屈曲率非球面ガラスモールドレンズ)を含む10群13枚構成で、焦点距離は35mm換算で38.5〜462mm。21面にマルチコートを施し、ゴーストやフレアを「極限まで抑えた」という。もちろん同社お得意の光学式手ブレ補正ジャイロも備えている。

 内蔵するMPEG-4 AVC/H.264のエンコードLSIや、「HDクリスタルエンジン」と呼ばれる映像エンジンも新開発。同エンジンは、毎秒60コマのプログレッシブスキャン処理が可能で「効率的にノイズリダクションを行い、髪の毛のような細かい部分まで忠実に描写する」(中谷氏)という。一方、ハイビジョン特有の“見えすぎ”問題にも配慮。肌色部分にわざとソフトフォーカスをかけ、小さなシミやシワを目立たなくする「美肌モード」も備えた。

 上面には5つのマイクユニットを搭載し、AVCHDがサポートするDolby Digital 5.1chの記録に対応する。また、正面方向にはレンズのズームにリンクする超指向性ズームマイクを採用。「子どもの顔にズームする場合なども臨場感のある音が記録できる」(同氏)。

photophoto 上面に5つのマイクユニットを搭載。Dolby Digital 5.1chの記録に対応する

 動画記録モードは3種類。いずれも解像度とフレームレートは1440×1080/60iとなり圧縮率だけが異なる。最高画質の「HFモード」は、CBR(固定ビットレート)の約13Mbps、「HNモード」はVBR(可変ビットレート)の約9Mbps、長時間モードの「HEモード」はVBRの約6Mbpsだ。4GバイトのSDHCカードなら、「HFモード」で約40分、「HEモード」で約90分録画できる。付属するバッテリーパックの容量は1320mAhで、1時間5分の連続撮影が可能だ。

photophoto 側面にはUSBとHDMI 1.2aの端子を装備。HDMI端子はVIERAリンクにも対応しており、ケーブル接続後にムービーの電源をオンにするだけで、テレビ側の電源が入り、入力をHDMIに合わせる。あとはムービー側の再生ボタンを押すだけ

 製品パッケージには、4GバイトのSDHCカードとWindows用ソフト「HD Writer Ver.1.0 for SD1」が付属する。同ソフトでは、映像の取り込みやSDカード/DVDディスクへの書き出しにくわえ、シーン削除などの簡易編集が可能だ。対応OSはWindows XP(SP2)およびWindows 2000 Professional(SP4)。

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 また、まもなく発売される「ブルーレイDIGA」でも動画のバックアップが行える。撮影したSDカードをブルーレイDIGAのスロットに挿入すると、BD-REメディアに最大4倍速(HEモード)でダビングが可能。ただし、DIGAの内蔵HDDやBD-Rメディアにはバックアップできない。

 このほか、同時発売の「VW-PT2-S」(実売想定価格4万円前後)を使用すると、屋外でもハイビジョン映像のバックアップが行える。VW-PT2-Sは、SDカードスロットと40GバイトHDDを内蔵したモバイルストレージ。SDカードのデータを最大8倍速(HFモード)の高速転送でダビング可能だ。

photophoto DVDタイプの「HDC-DX1」も基本機能は同一。HDC-SD1との違いは、外形寸法が92(幅)×91(高さ)×163(長さ)と大きくなることと、HDC-SD1にはないファインダーを搭載している点だ。またバッテリーも少し大きめの2640mAhタイプが付属しており、ファインダー使用時で1時間30分程度の連続撮影が可能

 同社は、2007年にはムービーカメラ市場におけるハイビジョンカメラの構成比が約5割に達すると予測。AVCHD対応のハイビジョンムービーとしては世界最小の「カードなハイビジョン」(同社)を訴求していく構えだ。

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